ヤンキース 奪った1勝!ボルピ逆転満弾&ジャッジお目覚め適時打
◇ワールドシリーズ第4戦 ヤンキース11-4ドジャース(2024年10月29日 ニューヨーク) 「帝国の逆襲」が始まるのか。8回1死二塁。11点目を挙げたのはヤンキースの主砲ジャッジだ。今シリーズ初の適時打となる左前打。「チームのために自分ができること。それに集中している」。15打数2安打の打率.133はド軍大谷と同じ。スラッガー対決と騒がれながらともにノーアーチだが、ようやくお目覚めの快打だ。 そのジャッジが「エナジーを供給してくれた」と称えたのが7番ボルピだ。1点を追う3回2死満塁で左翼に逆転グランドスラム。本拠地の大観衆を熱狂の渦に巻き込み「ほとんど記憶がなくなったよ。この瞬間を毎日夢見ていた」。8回1死では左翼線への安打で二塁に強烈なヘッドスライディング。直後に三盗、二ゴロでホームインと「ヘッスラ3連発」で得点を奪った。 「ジーター2世」と称される23歳の遊撃手。地元ニューヨーク出身で、前回世界一の09年は8歳のファンとして祝勝パレードに駆けつけた。試合後にはテレビ解説を務めた憧れのデレク・ジーター氏からインタビューも受け「考えただけでもかなりクレージーだ」と興奮を隠せなかった。 ボルピのマイナー時代からの同僚で25歳のウェルズも6回にソロ本塁打。ジャッジを含めたヤ軍の「ドラ1トリオ」が計5安打6打点をマークした。チームのWSでの11得点は78年の第5戦の12得点以来、46年ぶりだ。 ようやく打線が目覚めたが、まだ1勝3敗。「まず1勝から始まらなければならない。同じことを続けるだけだ」とジャッジ。過去のWSで初戦から3連敗後に世界一になった例はない。これが奇跡への第一歩となるか。(杉浦大介通信員) ≪史上4番目の若さ≫ヤンキースのボルピが3回に逆転満塁弾。WSで23歳184日での満塁弾は史上4番目に若く、同時に複数の盗塁もマークしたのは球団では1962年のミッキー・マントル以来。第1戦ではドジャースのフリーマンが満塁弾。WSで両チームが放つのは64年のヤンキース(ペピトーン)、カージナルス(ボイヤー)以来60年ぶり。またPS全体で6本目の満塁弾は大リーグ新記録となった。 ≪7回途中で登板 ウィーバー3K≫守護神ウィーバーが2点リードの7回2死二塁で登板。1回1/3を打者4人で抑える完全投球で、最速96・6マイル(約155キロ)の直球を武器に3三振も奪った。ポストシーズンはここまでの13試合中10試合に登板して防御率2・13。9回も続投の予定だったが味方打線が5点を追加したことで降板し、アーロン・ブーン監督は「(続投なら)明日の起用が怪しくなっていた」と温存できたことを喜んだ。9月から守護神を務める31歳は「未来は予想できないが1日ごとにやっていくよ」と逆転での世界一を見据えた。