衆院選山口1区の高村正大氏「2区の岸信千世さん、1区から応援を」…旧1区・周南市で挽回「薄氷の勝利」
山口県内では今回の衆院選も自民党が全3選挙区の議席を独占した。区割り改定後初の選挙を振り返り、候補者や関係者の思いを追った。 【写真】支援者らと万歳する平岡氏(28日、岩国市で)
「平岡さんが当選確実となりました」
28日未明、岩国市にある平岡秀夫氏(70)の事務所。選対本部幹事長で前県議の戸倉多香子氏が平岡氏の比例中国ブロックでの復活当選を知らせると、支援者らは祝福ムードに包まれた。「敗れはしたが、いい勝負をすることができた」。選対本部長の藤谷光信・元参院議員がつぶやいた。
山口2区に立憲民主党の公認候補として立候補した平岡氏と自民党の岸信千世氏(33)の得票差は、わずか1724票で惜敗率は98%超。同じ2人による一騎打ちだった昨年4月の衆院旧山口2区の補欠選挙は5768票差で、大幅に縮める結果となった。今回、2区の10市町のうち周南市を除く9市町の合計得票数は平岡氏が上回った。
「いい勝負」となった要因について、戸倉氏は「選挙前から平岡さんが地道に地域を巡ってきたことが奏功した」と分析する。
平岡陣営は補選後、支援者に5人程度で集まってもらい、平岡氏が出向いて対話集会を重ねてきた。「『平岡さんと膝詰めで話したよ』と親近感を抱いてもらえる人をたくさんつくってきた」と陣営関係者は手応えを語る。
選挙結果を比較すると、補選では柳井市や平生町で岸氏に敗れたが今回は勝利に転じ、上関、田布施町などでは敗れたものの票差を縮めた。上関町で建設が計画されている使用済み核燃料の中間貯蔵施設に反対を唱えたことが大きいと、平岡氏自身はみる。
一方、岸氏は28日の記者会見で「まさに総力戦だった」と総括した。
衆院選が公示された15日、岸氏は出陣式で「自民党への逆風」「一騎打ちの構図」「選挙区の広域化への対応」の三つを挙げ、選挙戦の厳しさを強調。陣営は岸氏の伯父である安倍晋三元首相の妻、昭恵氏や党選対委員長を務めた小泉進次郎氏らの来援を得るなどし、支持拡大に努めた。