「ブクブク太りました」渋野日向子のゴルフが狂う危険性
ちなみに昨年のシーズンが終わった直後、オフの目標を聞かれたときは「太らないこと」と笑顔で即答していたのだ。 ラウンド途中に『タラタラしてんじゃねーよ』などの駄菓子を食べて、エネルギー補給する“もぐもぐタイム“が、話題になったが、それも過酷なトーナメントの途中だからこそ必要なもの。運動量が減って間食が増えれば太る。しかも、まだ21歳。肉体は成長している。おそらく渋野は、それを危惧していたのだ。 問題は、渋野がなぜ「大きくなった」のかという部分。新型コロナウイルスの影響で、次々とトーナメントが中止となり、トータルの運動量、消費カロリーが減り、脂肪分が増えたのか、それとも計画的な肉体改造により、筋肉量が増えたのか、という点だろう。 脂肪であれば論外。だが、番組では「米国では下半身を中心に鍛えていた」と話していた。確かに今オフは国内にいるときから積極的にジムに通ってウエイトトレーニングを行ってきた。 パワーゴルフが全盛の現代、女子プロもウエイトトレによる筋力強化が当たり前となっている。サイズアップが脂肪ではなく筋量であれば期待も高まるが、繊細な技術を必要とするゴルフの場合、飛距離を伸ばすことよりグリーン周りのアプローチ技術や、パット技術の向上が求められ、それには、「必要以上の筋肉は百害あって一利なし」と考えるプロも少なくない。 ツアー通算14勝の有村智恵(32、日本HP)もその一人で、米ツアーから撤退し、2016年に国内ツアーに復帰してしばらくは、シーズン中も筋トレを欠かさなかったが、「筋肉がつきすぎてもダメだと分かった」と方向転換した。 「特に肩回りなど上半身。ゴルフには柔らかい筋肉の動きが必要で、繊細な動きが要求されるアプローチでは特にそう感じた」と話し、トレーニング方法を見直したことが2018年に挙げた6年ぶりのツアー優勝にもつながった。
エンゼルスの大谷翔平がキャンプに筋肉隆々とした肉体で現れて、その「キン肉マン化」が話題になったが、投げる、打つの出力部分のポテンシャルをアップさせ、加えて、故障防止も兼ねて、肉体改造が必要な競技とゴルフとでは、その筋肉の付け方や、肉体改造方法が違ってきて当然だろう。 このオフに渋野が、どのようなトレーニングを積んだかは不明だが、テレビで見る限りでは、下半身だけでなく全体的に大きくなったという印象を受けた。 渋野はアプローチなど小技を苦手とするだけに、有村が実体験で感じたゴルファーの巨大化が持つリスクがどう影響するかが気になるところではある。 単なる食べすぎが主たる原因の「プクプク」ならば、シーズン再開の当初は、スコアアップに苦労するかもしれない。どんどん試合を消化していけば、自然と体は絞れてくるだろうが、4月第2週の「スタジオアリス女子オープン」の開催も現時点では不明となっている。 テレビへの生出演でファンの”しぶこロス”は少しばかり解消された。だが、新型コロナの影響を受けての“長すぎる大会ロス“が昨シーズンの大ブレイク後、重要な2年目を迎える渋野のゴルフを狂わせてしまう危険性がある。