「それ、ネグレクト!」無関心な父親と毒祖母との苦しい三人暮らしから、自分の居場所を求め全部捨てた主人公。その人生はどうなるのか!?【著者インタビュー】
子どもに無関心な父親と「臭い」「ゴミだと思った」など毒しか発しない祖母に育てられた主人公が、自分のために家族と決別するまでを描く漫画家 小野寺こころさんの(@onoderaKOKORO8)だんしゃりに、8万いいねと1.4万リツイートがついている。今回は、本作を描いた背景など、制作への思いを小野寺こころさんにインタビューした。 【漫画】本編を読む ■否定的な言葉を言われ続けた主人公は、どんな決断を下すのか? X(旧Twitter)に公開するといずれも万バズを獲得する心に響く作品を描く、今注目の若手漫画家である小野寺さんは、漫画を描き始めたのは高校生の頃だという。モーニングの月例賞で新人賞を受賞した本作について話を聞いた。 実体験をベースに描かれた、あるひとつの家族の話。しょうこは子どもの頃から、祖母と父親との三人暮らし。祖母から、ことあるたびに「部屋が臭い」「体が匂う」など、否定するようなことばかり言われていた。部屋にあるものは、しょうこにとっては「大切なもの」ばかり。 しかし部屋が散らかっているからと、祖母は部屋の物を盗むが、大切なものだからこそ、なくなるとすぐにわかる。そのことで口論になると、父親は盗んだ祖母には何も言わず「どうせ、全部がらくたやろ。全部片付けろ!」と怒鳴った。孤立してしまったしょうこの心の揺れを時に痛々しく、繊細に描いている。 執筆すること自体を苦労だとは思わない、と語る小野寺さんだが、「テーマや内容が重いものだったり、実体験をベースにしているので、嫌な出来事やトラウマと向き合わないといけなくなるので、できる範囲で自分に優しくしようとはしています」と工夫して作品に取り組む様子を教えてくれた。 現在は、距離感の丁度いい用務員の「伏見さん」と、大人に苦しむ高校生たちのお話を描いていて「毎話最後には少しの救いがあるお話になっているので、安心して読んでもらえるとうれしいです」と語る小野寺さん。 大切なものを全部捨て、新しい一歩を踏み出したしょうこ。その明るいラストに「救われてよかった」の声が寄せられる本作。ぜひ、一度、心の揺れを感じつつ、最後まで読んでほしい。 ■取材協力:小野寺こころ(@onoderaKOKORO8)