M4 Maxチップ搭載「16インチMacBook Pro」の実力をチェック 誰に勧めるべきモデルなのか?
「M4 Maxチップ」がもたらす価値はどこにある?
先ほど「M4 Proチップのコストパフォーマンスの良さが際立つ」旨を述べたが、もちろんハイエンドのユースケースにおいてM4 Maxチップが有益であることは間違いない。 アプリテストを通して見てみると、一部に思ったほどの差が出ていないように思える部分もあるかもしれないが、かなり極端な処理を行うと、テストでは表に出ない差が出ることもあることは別途把握しておくべきだろう。 その典型例がメディアエンジンの構成だ。M4 Proチップのメディアエンジンは、ビデオエンコード/デコードエンジンとProResアクセラレータを1基ずつ備えるのに対し、M4 Maxチップではこれらを2基ずつ搭載している。 単純計算すると、M4 MaxチップはM4 Proチップの2倍の動画処理パフォーマンスを備えていることになる。具体的には、M4 Maxチップでは4K解像度のProResビデオを最大66ストリーム、8K(7680×4320ピクセル)解像度のProResビデオを最大15ストリーム同時処理できるが、M4 Proチップでは4K解像度のProResビデオは最大37ストリーム、8K解像度のProResビデオは最大8ストリームと、同時処理数が半分程度になっている。 メディアエンジンを完璧に使いこなすApple純正の動画編集アプリ「Final Cut Pro」を使う場合、同時処理能力差は約1.8倍とのことで、上記の性能差とほぼ一致する。このこと自体は先にテストしたDaVinci Resolveでも同様なのだが、アプリの応答速度をトータルで見てみると、そこまで大きな差は出てこない。 M4 Proチップは研究者、開発者、エンジニア、クリエイティブプロフェッショナルなど、高度な処理能力を必要とするユーザー全般に適している。 一方、M4 Maxチップは8K動画編集、複雑な3DCGレンダリング、大規模な機械学習モデルの学習など、極めて高負荷な作業を行うプロフェッショナルに最適な選択肢だ。
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