斎藤知事と風呂場で語り合った「1コ下」の元担当記者がみた知事の素顔 就任3年間で斎藤知事に何があったのか...
■斎藤知事と一緒に風呂に入った
私と斎藤知事の関係性が変わったのは、2021年12月、県庁を離れリモートで業務する「ワーケーション知事室」の取材だった。第1回は兵庫県多可町、西脇市で、多くの報道機関が同行取材した。知事の希望で多可町のジェラート店に立ち寄った。あまりに急な予定外の行動に、半数くらいの記者が取材できず、次の視察先で待ちぼうけを食らう一幕もあった。 その夜、私と音声スタッフが、斎藤知事や秘書広報室長らと風呂に入っていた。先に上がった知事が脱衣場で体を拭いていた時だった。室長に「鈴木さんって何歳なの?」と聞かれた。「昭和53年生まれなんで…」などと答えていたら、突然、斎藤知事が大浴場の引き戸をガラガラと開けて「えっ!鈴木さん、僕の1コ下なの?いくつ?」と聞いてきた。随分と、うれしそうだった。 翌朝、斎藤知事が散歩で里山を登ったときも、山頂で息切れする私を見て「鈴木さん僕より年下だよね~?」ときた。この取材以降、斎藤知事の私への敬語は極端に減った。
■3年前 斎藤知事“誕生”を支えた面々の“変節”
この「第1回ワーケーション知事室」を実質的に仕切った人物が、内藤兵衛県議だ。ワーケーション知事室の訪問先は内藤県議のお膝元だった。知事選で自民党県議団が分裂した際、「斎藤支持」側の会派トップに就任し、選挙を取り仕切った。分裂した自民会派は、私が異動した後に再び統一され、内藤県議は議長に就任した。 ところが、斎藤知事の一連の疑惑が発覚すると、県議会は全会一致で、調査のための第三者機関の設置を求めた。その要望書を斎藤知事に手渡したのが、誰であろう、内藤議長である。内藤議長がもの悲しい表情に見えたのは気のせいだろうか。
斎藤知事に対し、最近ひときわ厳しい姿勢を見せた人物が、自民党兵庫県連会長の末松信介参院議員である。今年7月の自民党兵庫県連大会の場で、「大きな、正しい判断をしていただきたい」と、事実上辞職を求める発言に踏み切った。 末松議員にも、斎藤知事に関する裏話がある。知事選前の2020年夏、総務省から大阪府に出向中だった斎藤知事を、県議に引き合わせたのが末松議員だった。その誘い文句は、「ナイスガイがいる。会ってみないか」だったという。