アゼル大統領、ロシアが撃墜と断言 旅客機墜落で「問題隠蔽」と非難
アゼルバイジャンのアリエフ大統領は29日、カザフスタン西部で墜落したアゼルバイジャン航空の旅客機について、ロシアによって撃墜されたと断言し、「ロシア側は明らかにこの問題を隠蔽(いんぺい)しようとしていた」と非難した。アゼルの国営放送のインタビューに答えた。 【写真】墜落したアゼルバイジャン航空の旅客機 アリエフ氏はその後、ロシアのプーチン大統領と2日続けてとなる電話協議を行い、旅客機の墜落に関する議論を続けた。 旅客機の墜落を巡っては、複数のメディアなどがロシアの防空システムによる被弾の可能性を指摘していたが、アリエフ氏は28日にプーチン氏と電話協議した際には「外部からの影響で墜落した」と指摘するにとどめ、ロシアを名指しすることはなかった。一夜明けて、ロシアを非難する姿勢に転じた。アゼル国内でロシアへの不満が高まっている点を考慮したとみられる。 アゼル大統領府によると、アリエフ氏はインタビューで、旅客機が目的地の露南部グロズヌイ付近で電磁波の影響で制御不能になったことが判明しているとし、地上からの攻撃で尾翼が深刻な損傷を受けたとも述べた。これまでロシア側が墜落の原因について、鳥との衝突や機体の設備上の問題を主張してきたと指摘。「明白な事実を否定し、人々を欺こうとする試みは無意味でばかげている」と訴えた。 また、ロシアに対しては首脳間の電話協議前日の27日に、アゼル側に謝罪し、罪を認め、責任者を処罰し、賠償金を支払うように伝えたことも明らかにした。両政府の発表を見る限りでは、プーチン氏は電話協議で墜落の責任を認めない形で謝罪したが、アリエフ氏は29日のインタビューで、謝罪されたとの認識を表明。その上で、「(自身が求めている)条件はすべて正当なものだ。我々の条件が受け入れられることを願っている」と訴えた。【モスクワ山衛守剛】