富士山も選出!?アメリカの観光ガイドが公表した「行かない方がいい観光地リスト」が話題に
アメリカの旅行ガイド会社のフォダーズは、NO LIST 2024、すなわち旅行先として避けたほうがいいと同社が考える場所のリストを発表した。 【写真】長旅もスマートに過ごす、編集長の必須アイテムとは? 旅行ガイド会社が旅行を控えるように呼びかけるなんて矛盾しているように思えるが、事実は事実。アメリカの観光ガイド専門出版社のフォーダーズ社は2023年11月、NO LIST 2024、すなわち旅行先として避けるべき場所のリストを発表した。このリストは、旅行者一人ひとりに旅の仕方を再考してもらい、オーバーツーリズムや水の過剰消費、はたまたゴミ問題に悩む世界各地の文化的歴史的遺産を守りたいという意図で作成された。どんな場所が載っているのか紹介しよう。
マスツーリズム
マスツーリズム 2023年7月、ユネスコはヴェネツィアを「危機遺産」指定を勧告した(訳註:その後同勧告は回避された)。ヴェネツィアがマスツーリズムの弊害に遭っているというのがその理由だ。観光客が押し寄せて「沈没」しかねないからこそ、NO LIST 2024に載ることとなった。「どんな交通手段も建造物や芸術作品、そして全般的な環境に影響を及ぼし、どれもがある程度のダメージを受けている。建物の基礎は様々な要因によって傷むが、とりわけモーターボートの往来によって引き起こされる波の弊害が大きい」と語るのはガイ・エリオット、『危機に瀕するヴェネツィア基金』のディレクターだ。同基金はこの街の遺産を保護することを目的としたチャリティ団体である。 ギリシャのアテネも同様の状況にある。今回のNO LISTに載った理由は、オーバーツーリズムと適切な公的対策の不在。この2つの要因がアクロポリスにダメージを与え、地域社会の伝統文化に影響を与えている。同様の問題は地球の反対側、日本の富士山にも存在する。日本の最高峰である富士山では巡礼に訪れる観光客が群がり、山を汚染するだけでなく、身を危険にさらしている。「観光客は、富士山の登山が危険でリスクのある行動だということを十分に認識しておらず、山頂に負荷をかける行為をしながら自らの生命を危険にさらしている」とフォーダーズはリスト入りの理由を説明した。