ラインの力で優勝した脇本雄太 ウィナーズカップ決勝に見た「競輪」の面白さと奥深さ
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが取手競輪場で開催された「第8回ウィナーズカップ」を振り返ります。
2024年3月24日(日)取手12R 第8回ウィナーズカップ(GII・最終日)S級決勝
※左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①脇本雄太(94期=福井・35歳) ②清水裕友(105期=山口・29歳) ③深谷知広(96期=静岡・34歳) ④伊藤颯馬(115期=沖縄・24歳) ⑤坂井洋(115期=栃木・29歳) ⑥河端朋之(95期=岡山・39歳) ⑦古性優作(100期=大阪・33歳) ⑧窓場千加頼(100期=京都・32歳) ⑨北井佑季(119期=神奈川・34歳) 【初手・並び】 ←⑧①⑦(近畿)②⑥(中国)⑨③(南関東)④(単騎)⑤(単騎) 【結果】 1着 ①脇本雄太 2着 ⑦古性優作 3着 ②清水裕友
ウィナーズカップ決勝の熱戦!全員が自力で勝負できる決勝メンバー
3月24日には茨城県の取手競輪場で、第8回ウィナーズカップ(GII)の決勝戦が行われています。その名のとおり、主に選考期間における勝利数が多かった選手が出場権を得られるビッグレースで、当然ながらマーク選手よりも、自力のある機動型のほうが多く出場してきます。いつもはラインの先頭を走っている選手が、番手や3番手を回るようなケースが出てくるのも、この大会の特徴ですね。 それだけに「動き」のある展開が多くなり、見応えのあるレースも多かったと思いますが、落車が多かったのはやはり残念です。いつも言っていることですが、車券を買って応援してくれるファンをいちばんガッカリさせるのが、落車という結果ですから。それに言うまでもなく、選手も大きなダメージを負います。ビッグの舞台でシビアな勝負をしている以上、ある程度は仕方がないとはいえ…ちょっと多すぎでしょう。 S級S班は、病気欠場した山口拳矢選手(117期=岐阜・28歳)をのぞく8名が出場。2レースが組まれた初日の特別選抜予選は、いずれもS級S班のワンツー決着でしたね。1着をとった脇本雄太選手(94期=福井・34歳)は悪くないデキにあるようで、深谷知広選手(96期=静岡・34歳)はかなり調子がよさそうな印象。しかし、このシリーズで誰よりもデキのよさを感じさせたのは、窓場千加頼選手(100期=京都・32歳)でした。