免除も追納の手続きも絶対しない! 大学生で面倒くさがり屋の息子のために 「親」が年金を支払うべきでしょうか?
20歳以上になると国民年金制度に加入し、保険料を納める必要があります。大学生のなかには、社会保険制度の理解が乏しく、国民年金保険料を納めずに状況を放置している人もいるのではないでしょうか。 本人に代わって、親が国民年金保険料を支払うことは可能です。しかし、長期的に考えると本人に保険料を負担させたほうがよいかもしれません。 本記事では、国民年金保険料が払えないときの対処法や、親が子の国民年金保険料を支払うべきではない理由を解説します。 ▼年金機構から「差し押さえ」の手紙が届いた! 口座残高「ゼロ円」で差し押さえる財産がなければ大丈夫?
子の代わりに親が年金保険料を支払うことは可能
公的年金は、高齢期の生活を支える重要な社会保険制度です。現役世代が保険料を納め、年金として高齢者へ支払われる世代間扶養の仕組みとなっています。 国民年金保険料は、原則として被保険者である本人が支払いますが、親が代わりに支払うことが可能です。なお、配偶者や家族の負担すべき国民年金保険料を納めたときは、実際に納めた人が社会保険料控除を受けられます。 公教育では、社会保険制度について学ぶ機会がほとんどありません。20歳になったばかりの大学生のなかには、国民年金保険料を納める必要性を理解できていないケースもあるでしょう。 経済的に国民年金保険料の納付が難しい場合の救済措置として、「学生納付特例制度」があります(学生以外の方は保険料免除制度か納付猶予制度)。学生納付特例制度を活用すれば、年金の受給資格期間に算入されます。 将来就職して経済的に余裕が生まれたら、保険料の追納が可能です(追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の期間)。将来を考えると、学生納付特例制度を利用したうえで、就職後に追納を行うべきでしょう。
経済的自立を促すことも重要
親が子に代わって国民年金保険料を納付する場合、子の自立心が育たないデメリットがあります。本来であれば自分が責任をもって納める必要がある以上、いつまでも親が肩代わりするのは健全ではありません。 親が代わりに国民年金保険料を払い続けることで、子が自分の将来について真剣に考えるきっかけを失ってしまう恐れがあります。年金を自分事として捉えられず、いつまでも経済的に依存してしまう事態になりかねません。 今回のケースでは、本人に学生納付特例制度の手続きをすすめるのがベストでしょう。子の経済的自立を促すうえでも、親が負担するのはおすすめしません。 国民年金保険料を自分で支払いや必要な手続きをすることで、年金制度への関心や理解を深められます。年金制度の理解に加えて、将来のためにお金を準備する大切さを学べるでしょう。 大学生にとって年金を受給できるのは40年以上も先なので、年金保険料を納める重要性を理解できないのは致し方ありません。しかし、年金は自分の老後生活を支える核となる収入です。年金がもらえないと、老後破産するリスクが高まります。 つまり、国民年金保険料を納めないという選択は、自分の首を絞める行為といえるでしょう。親自身も年金制度について理解を深めて、子に年金制度の趣旨や重要性を理解させることが大切です。