【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅】旅に必要なものは現地調達!ペルーの小さな町で旅の相棒「船外機」を手に入れた
舟を動かすエンジンを現地調達せよ!
人間以外で大切な旅の相棒、それは川下りに必須の木舟。続いて現地調達するのは、船外機(エンジン)です。 あえてカヤックやカヌーみたいな手漕ぎではなく、新しいことに挑戦したくなって、今回の船には船外機を積むことにしました。 旅に使うのは、現地の船と同じタイプの船外機。これは最初から船外機として作られたものではなく、小さいもので5馬力程度の汎用エンジンに細長い棒を取り付けて、棒の先に付けられたスクリューを回転させて進むもの。このスタイルの船は現地で「ペケペケ」と呼ばれていて、理由はそのままズバリ。エンジンの音がペケペケ鳴っているように聞こえるから。 なるべく安いものを探して中古屋さんに行きましたが、店員さんおすすめのエンジンなのになかなかかかりません。ふ、不安だ。 いろいろ意見を聞いて回ると、一致した意見は「ホンダの新品を買え」「ホンダなら壊れない」「とにかくホンダだ」とのことで、現地の人が全幅の信頼を置いているホンダのエンジンを買うことにしました。 こちらが私が買ったエンジンは、9馬力のホンダGX270。ペケペケのエンジンはおおまかに大、中、小とあって、順番に13馬力、9馬力、5馬力程度。 これがエンジンに取り付ける棒。先端のスクリューは思っていたより小さくて、本当にちゃんと進むのか、やや不安が残ります。
はじめてのペケペケ号
私の船の名前は、ペケペケ号。ペケペケを載せているから、ペケペケ号。ペケペケって、かわいいオノマトペみたい。だけど、初めて運転してみると、意外と難しいんです。 スクリューが付いている棒が長くて重いのに、それを操縦する取っ手の方は短いから、テコの原理で余計に重く感じてしまいます。 それにしても、もともとは水漏れで船の底にたくさん水が溜まっていた船なのに、ちゃんと浮かんでいることに感動! ヨロヨロ運転で向かったのは、ほんの15分ほど進んだところにある森のなかに隠れたとあるお家。 快適な船旅へ向けて、ここでペケペケ号にもうひと手間加えます(次回へ続く)。 私が書きました! 建築学生 佐藤ジョアナ玲子 フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。
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