追悼:2024年に亡くなった著名人
12月6日 中山美穂さん(54)=俳優、歌手
1980年代、90年代にトップアイドルとして大きな注目を浴び、「ミポリン」の愛称で親しまれた。東京・原宿でスカウトされ、85年のテレビドラマ『毎度おさわがせします』で14歳の時にデビュー。歌手としては『WAKU WAKUさせて』(86年)、WANDSとともに歌った『世界中の誰よりきっと』(92年)などを世に出した。映画では、豊川悦治さんとともに主演した『Love Letter』(95年)が代表作として挙げられる。2002年に作家の辻仁成さんと結婚。パリで生活し、一時活動を休止したが、14年に離婚。死去当日は大阪市でコンサート開催の予定だったが、連絡が取れなくなり、東京の自宅で死亡しているのが見つかった。本人の公式サイトは「入浴中の不慮の事故」で、事件性はないとしている。
12月19日 渡辺恒雄さん(98)=読売新聞主筆
1991年、読売新聞の代表取締役社長・主筆に就任。日本テレビとその系列局も傘下に持つ同新聞グループのトップに30年以上も君臨した。中曽根康弘氏との「盟友関係」を軸に、保守政界に強い影響力を持った。近年では安倍晋三、岸田文雄両首相の指南役としても知られた。26年、東京生まれ。東京大学の学生時代に敗戦を迎え、日本共産党の東大細胞に所属した(47年除名)。読売入社後は、政治部で大野伴睦氏の番記者に。憲法改正に積極的で、トップ就任後の読売新聞は1994年、「憲法改正試案」を紙面で発表した。また、プロ野球・読売ジャイアンツ(巨人)のオーナーを務め、退任後も最高顧問として球界に深くかかわった。
12月25日 鈴木修さん(94)=スズキ元会長
スズキの社長に1978年就任。2021年に相談役に退くまで、40年以上にわたり社長・会長を務め、同社を世界的な自動車メーカーに成長させた。海外進出に積極的に取り組み、1983年にインドで現地生産を開始。インド市場での同社の乗用車シェアは4割以上(2022年度)とトップを保っている。1930年、岐阜県生まれ。銀行員を経て、1958年に2代目社長の娘婿としてスズキに入社した。 社長就任翌年の79年、当時の価格で50万円を切る軽自動車「アルト」を発売し、ヒットを放つ。徹底した現場主義と軽いフットワーク、歯に衣着せぬ言動から「ワンマン」「カリスマ」経営者の呼び名があった。