障がいのある兄妹を育てる父親、自身も昨年難病に SNSの発信を通して「孤独から大きな励みになった」 発信に込めた“願い”に迫る
子どもの好きなことは自由に
「私は子どもたちの好きなことは自由にやらせたいと考えています。あまり口出しもしません。多少のアドバイスはしますが、基本自由です。健常児であれば言葉で教えることで、できるようになることもあると思いますが、知的障がいがある子には言葉の理解が困難です。『こう教えたらできるよね!』これでは通じません。この特性を理解してからは言葉で教えるより、好きなことから自由に学ぶスタイルが子どもたちに合っていることを、子どもたちから教わりました」 色々な考え方がありますが、お父さんは知的障がいを伴う自閉症スペクトラムの子どもには、自由から楽しく学ぶことがベストだと考えているようです。だからといって楽ではなく、苦労が伴うそう。翔輝さんのこだわり、姫歌さんの場面緘黙の理解には10年以上かかったと話してくれました。
普段の過ごし方
普段の翔輝さんは朝に起きるのが早かったり、昼まで寝ていたり。起きたら飼い猫のお世話をしてから自動ドアの窓拭きをしているとのこと。事業所にはお昼ご飯を食べてから行っているそうです。 姫歌さんはイラストに集中するときは夜中がいいようで、昼夜逆転気味です。学校を辞めているので、今はお昼に起き、昼間はイラストに集中。他にはゲームや映画鑑賞をしています。 たまに兄妹で散歩に行っているとのこと。夕ご飯は別々に食べていますが、face Timeで会話しながら食べることもあるそう。「ささいなことや、翔くんのこだわりが原因で兄妹喧嘩になることもありますが仲良く過ごしています。外では一人行動ができない姫ちゃんにとって兄の翔くんが一緒にいることで安心してできることが増えました」とお父さん。
日常をSNSで発信するようになった経緯
SNSは2018年にTikTokから始めました。当時流行っていたアプリを何となく入れただけで、当初は障がいについて発信する考えはなかったとのこと。「ただ、障がいのことを周りに知って欲しいとはいつも思っていました」とお父さん。 あるとき、TikTokで子どもの重度知的障がいを発信している人を見つけると「子どもの障がいを発信!その手があった!」とお父さんは気づきます。そこから今まで思っていたことや、伝えたいことを発信していきます。姫歌さんはTikTokを見ていたので、理解して遊び感覚で撮影に協力してくれました。翔輝さんは当時はよくわかっていない様子だったものの、次第に理解し始め2020年にYouTubeも始めました。翔輝さんは、動画に出ているのを見て嬉しそうにしているのだとか。 投稿はお子さん二人を主体にしているため、ストレスを感じないよう撮影の際は二人に合わせています。翔輝さんは撮影されることが好きなので、あまりに遅いと「撮影しないのか!」と催促してくるそう。姫歌さんはイラストが完成したときに投稿をしていて、現在はXで自身のアカウントも立ち上げて頑張っているのだとか。