岡田将生、天才詐欺師役で見せるつかみどころのない妖しさに感服<アングリースクワッド EPISODE ZERO>
内野聖陽が主演し、岡田将生が共演する11月22日より公開中の映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」の前日譚を描く「アングリースクワッド EPISODE ZERO」が、11月14日に配信された。同作は、11月から3カ月連続で“人間の欲望”をテーマに制作したLeminoオリジナルドラマ3作の第1弾。第1話から、岡田が“天才詐欺師”を妖しさたっぷりに演じ、見る者の心を捉えた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】岡田将生の美しくも真剣な表情にドキッ…自撮りオフショット ■映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」の前日譚 今回の映画&ドラマの原作は、ソ・イングク、スヨン、マ・ドンソクが共演した韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」。映画「カメラを止めるな!」などで知られる上田慎一郎監督がオリジナル要素を加えてリメイクした。 映画「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」は、内野演じる税務署に勤める真面目な公務員・熊沢次郎が、詐欺師集団“アングリースクワッド”を率いる岡田演じる天才詐欺師・氷室マコトと手を組み、壮大な税金徴収ミッションに挑む物語。 ドラマ版は氷室を主人公に、熊沢と出会う3年前が舞台となる。のちにアングリースクワッドのメンバーになる白石未来(森川葵)と村井竜也(後藤剛範)とひょんなことから手を組み、俳優志望の若者たちをだます悪徳女優・渡麗華(清水美砂)に復讐(ふくしゅう)のため、壮大な詐欺を仕掛けるという展開だ。 ■借金返済に苦しむ元女優に天才詐欺師が復讐を持ち掛ける 物語の幕開けは、氷室と未来&村井の出会い。それは未来が氷室に“美人局(つつもたせ)”を仕掛けるというものだったが、実は未来に自分を狙わせたのは氷室の計画の内。闇金の借金取りに脅されていた未来を、自分が仕掛ける次の詐欺のターゲットと戦う仲間にするため近づこうとしていたのだ。 氷室が考えていたターゲットは、女優で芸能事務所の社長でもある麗華。麗華は闇金と組んでワークショップを開催し、未来ら俳優を志す若者から金を搾り取った揚げ句、約2億円の脱税までしていた。 共に俳優を目指していた仲間が“告発”の末、闇金組織にボコボコにされたことをきっかけに未来は氷室と組むことを決意。組織の非道なやり方に嫌気が差していた村井も加わった。 ■岡田将生が天才詐欺師を妖しく演じる 岡田演じる氷室。第1話は、まだ未来を仲間に誘い込む段階ではあるが、つかみどころがない雰囲気が、まさに詐欺師だった。 2006年にデビューし、翌年に公開の「天然コケッコー」でメインキャストに抜てきされ、初めての映画撮影に挑んだ岡田。演技は粗削りな面もあったものの、原作のくらもちふさこによるコミックから抜け出たような美しい佇まいが目を引いた。 そこから、わずか数年後の2010年に強烈な印象を放った。映画「告白」で熱血教師に憧れるも空回りしてKY発言を連発する教師、その3カ月後に公開された映画「悪人」では事件の鍵を握りつつ、超性格が悪い大学生を。いずれも出ずっぱりなキャラクターというわけではないが、岡田の演じた役といえば?の問いに名前が挙がる2作品でもある。 美しいルックスという大きな武器を持ちながら、それに甘んじずチャレンジングな役回りもこなして培った演技力。ドラマ「昭和元禄落語心中」(2018年、NHK総合)では落語の名人の10代から晩年までを表現して見る者を圧倒したかと思えば、映画「伊藤くん A to E」(2018年)などのようなダメ男やドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(2021年、フジテレビ系)でのエリート弁護士だけどクセが強いひねくれ者、映画「1秒先の彼」(2023年)などの正統派ラブストーリーと多彩な作品、役柄で魅了する。 そんな中、今回の天才詐欺師は、その表情の裏に何を潜ませているのかを想像させる余韻を残しているようにも見えた。第1話からすでに岡田が醸し出す存在感に思わずグッと心をつかまれた。全3話と短いが、映画本編への序章でもあり、その後の展開に期待が高まる。 オリジナルドラマ「アングリースクワッド EPISODE ZERO」(全3話)は、Leminoで毎週木曜に1話ずつ独占配信中。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部