角田裕毅「赤旗がなかったらトップに立てた」サンパウロGP中盤の展開を悔やむ…フルウェット変更は“自身の判断”|WEDNESDAY F1 TIME
そして雨が強くなってきたレース中盤、戦況は大きく動いた。 ニコ・ヒュルケンベルグがターン1でスピンし、コース奥でマシンストップ。バーチャルセーフティーカーになった28周目、角田はピットに入ってインターミディエイトからエクストリームウェットへとチェンジした。 この駆け引きについてサッシャ氏が“これは自分の判断だった?”と聞くと、角田は「そうです」と返答している。 「左、左、と続くストレート手前(ターン13~15)では雨がすごくて、クルマ全体が浮いているような状態だった」 「だからアクセルを抜いていても、もうクルマがボートになっているみたいな。全然コントロールが効かなかった」 エクストリームウェットに変えたのは、トップ6では角田のみ。オコン、マックス・フェルスタッペン、ピエール・ガスリーは第1スティントのインターでステイアウトを続け、ランド・ノリスとジョージ・ラッセルはインターからインターにチェンジしている。 角田としては「エクストリームに変わって、もちろん全部前のクルマを抜くつもりでいた」と、エクストリームウェットでのレースペースには大きなアドバンテージを感じていたとのこと。 「雨の量と(降り続く)時間を(無線で)聞いている限り、行けるかなってことでエクストリームに変えた。この後も本当に周りより(1ラップあたり)10秒とか5秒は速かった」 「このまま赤旗がなかったらトップに立てたはず。もちろんそこから差を築けるかどうかがキーになっていくんですけど、多分そこも可能だった。(予想外の赤旗は)悔しいなっていうのもあります」
ヒュルケンベルグが動き始め(※マーシャルの助けを受けてコースへ復帰したために後に失格)、バーチャルセーフティーカーは解除となるも、雨が強くなってきたこともありレースは30周目の途中でセーフティーカー導入に。 そのSC中に今度はターン12からの立ち上がりでフランコ・コラピントがスピンし、ウォールに当たってクラッシュした。これでレースは赤旗となり、角田にとってレッドフラッグによる水入りは大きな誤算となってしまった。 結局レースは赤旗により再開前のタイヤ交換が可能となったため、第1スティントのステイアウト組が大きく得をする形に。フェルスタッペン、オコン、ピエール・ガスリーの3人がそのまま表彰台を独占した。 10秒ペナルティが科されていたオスカー・ピアストリと、角田は事実上のP7争いを展開。ピアストリの8秒後方でフィニッシュしたため、角田が7位に繰り上がっている。 3番グリッドからレーススタートした角田にとって、雨のインテルラゴスは展開が向かなかったかもしれない。それでも「レッドフラッグがなかったら……」と悔やんだように、難しいウェットコンディションの中でも上位に食い込める手応えはつかんでいたようだ。