実はこんなSUVも作ってます! MG HS 1.5 T-GDIへ試乗 重要モデル最大の強みは「価格設定」
少し鈍めのステアリング 乗り心地は快適
この他に、システム総合261psと37.6kg-mを発揮する、プラグイン・ハイブリッドも用意される。駆動用バッテリーの容量は24.7kWhだ。ちなみに、マイルド・ハイブリッドも2025年に登場予定にある。 このプラグイン・ハイブリッドは、電気だけで実際に120km前後走れることが特長。多くのライバルより優れる数字で、駆動用モーター単体の出力も153psある。 電気モーターから内燃エンジンへの移行はシームレス。殆どノイズを出さず始動し、車内を穏やかな空間に保ってくれる。 ドライブモードには3段階あり、ステアリングホイールの重さが多少ながら変わる。デフォルトはノーマル・モードだが、レシオはスロー側。望んだより反応が鈍く、少し導きにくく感じられた。 コンフォート・モードでは軽く回せるようになり、普段使いで好ましいと感じる人は多いだろう。スポーツ・モードも備わる。 乗り心地は、殆どの路面で初代より快適。外界との隔離性は高く、洗練という言葉を用いていい。これより優れた能力を持つライバルも、存在はするが。高速走行時は、ややロードノイズが目立つかもしれない。 プラグイン・ハイブリッドは、車重が1.5L 3気筒エンジン仕様より約200kg重い。ロータリー交差点やきついカーブでは、その質量を実感する。ボディロールも大きめで、もう少し姿勢制御を引き締めても良いだろう。
競争力の高い価格設定が強み 運転体験は及ばず
HSで最大の強みといえるのが、競争力の高い価格設定。英国では、1.5L 3気筒で充実装備のSEグレードを、2万4995ポンド(約475万円)から購入できる。プラグイン・ハイブリッドも、3万1495ポンド(約598万円)で狙える。 キャシュカイと比べると、5000ポンド(約95万円)安い。プジョー3008とは、1万ポンド(約190万円)の差がある。 モデルチェンジで競争力を強めたHS。お手頃な英国価格は確かな魅力だ。ただし、乗り心地や操縦性などの運転体験では、ライバルへ及ばないことは否定できない。MGは、走りでも充足感のあるモデルを作ることで評価されてきたのだが。 とはいえ、コスパと実用性は低くない。充実装備のファミリーSUVを検討されるなら、候補へ加える価値はあるだろう。 ◯:先代からの大幅な進化 エントリーグレードの価格 電気だけで120km走れるプラグイン・ハイブリッドの能力 △:1.5L 3気筒エンジンはややパワー不足 動的能力ではライバルへ及ばない 過剰に反応するドライバー監視機能
MG HS 1.5 T-GDI トロフィー(英国仕様)のスペック
英国価格:2万7495ポンド(約522万円) 全長:4610mm 全幅:1876mm 全高:1685mm 最高速度:189km/h 0-100km/h加速:9.4秒 燃費:13.5km/L CO2排出量:168g/km 車両重量:1550kg パワートレイン:直列3気筒1496cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:170ps/5000rpm 最大トルク:28.0kg-m/3000rpm ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
ジャック・ウォリック(執筆) 中嶋健治(翻訳)