ロエベの「I Told Ya」Tシャツが、空前の大ブームに...⁈ 新作映画の"ワンシーン"が発端か
確かにアスリートはブランドだが、彼らのすることも、彼らに憧れる若者たちとかつてないほど深く結びついている。この混沌とした恐ろしい時代にこそ、“若者文化”にはスポーツ界のアイドルが必要だ。若者たちは選手が堂々と自信に満ち溢れ、優れたプレーをし、恐れることなく困難に立ち向かう姿を見たいのだから。 映画『チャレンジャーズ』に登場するスポーツ選手は誰一人(主演のゼンデイヤでさえも)お手本として描かれてはいない。だが、現実の世界では、スポーツ界の女性はかつてないほど発信力を持っている。バスケットボールのケイトリン・クラークやエンジェル・リースは、男性アスリートができることは自分たちにもできるということを日々証明し続けている。ほかにもブリトニー・グライナーや、2021年の東京オリンピックでも話題になった体操界の最強女子シモーネ・バイルズは、メンタルヘルスを重要視することも試合の一部だと表明。アスリート自身がどのように困難に対処し、またそれを周りがどのようにサポートするべきか、世に示すきっかけにもなった。 だからこそ、“I Told Ya” Tシャツは単にネットでバズったグッズの一つとしては終わらないのかもしれない。そして、映画の中で果たした役割以上の意味を持つのかもしれない。スクリーンの中で見た、セックスをモチベーションにした競争心ではなく、スポーツ界の女性が与える真の影響を認識するよう呼びかけるきっかけになるかもしれない。 たとえばそう、WNBA(アメリカの女子バスケットボール・プロリーグ)の女子選手は、男子選手と同じ収入を得るべきなのか? ーーもちろん。“I Told Ya”、そう言ったでしょ。 アンダーソンがそれを意図していたかどうかはともかく、ロエベのステートメントTシャツは今こそ全ての人が着るべき一着になった。それは、自分たちの能力を次々と試合で証明している新世代の女性アスリートたちがいるのだ、というリマインダーの役割も果たしている。そして彼女たちは、誰に何と言われよう自分自身の価値を自分自身の目でしっかり見つめている、という揺ぎなきメッセージを伝えているのだ。
From Harper's BAZAAR.com