空調機の消費電力50%削減へ…パナソニック、燃料電池の排熱活用
パナソニックは燃料電池の製造に必要な電力を自家発電による再生可能エネルギーで100%賄う実証施設「H2 KIBOU FIELD」(滋賀県草津市)で、純水素型燃料電池の発電時に発生する熱を吸収式冷凍機に活用する実証実験を始めた。吸収式冷凍機で冷やした水は、同施設内の業務用エアコンの冷媒冷却用に利用する。これにより、空調機全体で消費電力の50%削減を目指す。 【写真】パナソニックの実証施設「H2 KIBOU FIELD」 今回、純水素型燃料電池の発電時に回収できる熱と吸収式冷凍機に必要な熱源の温度差をなくすため、双方を改良して連携を可能にした。 同電池の実証機10台は、回収できる温度を従来に比べ10度C引き上げて70度Cとした。高温化による触媒の劣化に対応するため、加湿性能を向上させるなどした。熱回収率を高めるため、内部には熱交換器を加えた。発電時の熱も活用し、同電池のエネルギー効率は95%を実現する。 吸収式冷凍機は生成した冷水を活用できるように、業務用エアコンの凝縮器を水冷式に変更し、冷媒の凝縮温度を大幅に低減。空調機全体の消費電力を削減する。