【バスケ】シーズン“75試合”を戦った千葉ジェッツ・富樫勇樹 Bリーグで最も長くプレーした男が語った2冠の誇らしさと敗退の「責任」
3冠の偉業には惜しくも届かなかった。 Bリーグ東地区3位の千葉ジェッツ(ワイルドカード下位)は18~21日、沖縄アリーナで西地区2位の琉球ゴールデンキングスとチャンピオンシップ(CS)セミファイナルを行い、1勝2敗で敗退。昨シーズンのファイナルでも苦渋を舐めさせられた琉球に、またも大一番で跳ね返された。 ただ、今シーズンの千葉ジェッツは紆余曲折がありながらも時間の経過と共に本来の強さを取り戻し、東アジアスーパーリーグ(EASL)と天皇杯の2冠を達成。苦しんだBリーグでも見事なロードマネジメントでCSに滑り込み、クオーターファイナルではレギュラーシーズン(RS)全体1位の宇都宮を相手にアウェーでアップセットを起こした。 大きな功績と悔しい終幕が混在した今シーズン。セミファイナルの最終第3戦後、会見に姿を見せたキャプテン富樫勇樹のコメントには、誇らしさと無念さがにじんだ。
自身の得点モードは「良くない千葉ジェッツ」
95ー62で先勝したセミファイナルの第1戦は、48点もの大差で勝利した3月の天皇杯決勝とほぼ同じような展開だった。効果的にスピードのミスマッチを突き、外からも富樫やアイラ・ブラウンらが高確率で3Pを沈め、度々ファストブレイクも出てオフェンスの火力で琉球を凌駕した。 しかし、第2戦以降は琉球の強度の高いディフェンスや、ジャック・クーリーやアレン・ダーラムらによるインサイド攻撃に手を焼き、リバウンドでも圧倒された。スピードや3Pを軸に展開する自分たちのオフェンスを封じられ、終始流れを掴めずに連敗した。 富樫は最後の2試合をこう振り返る。 「1試合目はすごくシュートが入ったゲームだったのですが、あとの2試合はそのイメージ通りにプレーができませんでした。琉球のディフェンス強度も1試合目と比べたらかなり上がった印象がありますし、リバウンドもやられました。試合中、常にこの差以上のものを感じながらプレーしていました。こっちが波に乗って追い付けそうな時にも、セカンドチャンスでやられました。特にクーリー選手を中心にやられてしまった印象ですね」 負ければシーズンが終わる第3戦では、富樫が前半から悪い流れを押し返そうとする場面も見られた。琉球から攻守で徹底的に狙われていたが、この試合は前半だけで15得点。得点モードに入っていた時の心境を聞くと、初めに「うーん」と少し唸ってから、「正直、あれがチームにとっていいかと言ったら、そうでもない」と反省の言葉を口にした。 脳裏にあったのは、シーズン序盤のチーム状況だ。主力の負傷や昨シーズンから入れ替わった外国籍選手とのフィットに苦しみ、スタートダッシュに失敗。その時も富樫が自ら得点を取りに行く場面が目立ち、自身のスタッツが伸びるのに反して、チームの勝ち星は思うように増えなかった。 「シーズン当初も含め、そういう時間帯はチームとして機能してなかった。特に今日の前半はそれに近いような状態になってしまいました。それはポイントガードである自分の責任だと思います。自分が点数を取るのも大事ですけど、他の選手を勢い付けることができなかった。良くない千葉ジェッツが出た時間帯だったと思います」