起こるかもしれない「逆走運転」を防ぐコツ。助手席にいてもできること
小さなミスが大きな事故につながる
こういった逆走を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。 「私たちもふだんから安全運転講習会などで高齢ドライバーの方々と触れ合っていますが、体感として、せっかちな方が非常に多く、とくに男性はプライドを高く持ってしまう方も多く見受けられます。せっかちでは判断ミスももちろん増えますし、プライドの高さゆえ、そのミスを認めることができず開き直ってミス自体を無かったかのようにふるまったり、言い訳をして取り繕ってしまいがちです。開き直りや取り繕う時間が増えれば増えるほど、小さなミスが大きな事故につながる可能性も高まりますし、起こってしまった事故の被害もより深刻になっていきます。ですから、普段から『自分も間違えることはある』『心身の能力が衰えていくのはしかたない』という自覚をもって運転に望むのがいちばんの逆走防止の心がけになります」
逆走してしまったときの対処法
反対方向の高速道路に乗ってしまったとき、その場でUターンして逆走をしてしまうケースも多々あると聞きますが、そのときはどう対処すればよいのでしょうか。 「目的地と逆方向の高速に乗ってしまったら、そのまま次のインターまで行ってください。次のインターの料金所で係の人に相談すれば、きちんと目的の方向に誘導してくれますし、料金も余計にはかかりません」 助手席にいる人も決して焦らず、「次のインターまで行こう」と言ってあげましょう。また、このときに運転者の方を決して責めないでください。 では、実際に逆走をしてしまったらどう対処すればよいのでしょうか。 「逆走に気づいたり、逆走をしているかも知れないと思ったら、まずはそれを認めて落ち着いてください。助手席にいる方も一緒にパニックにならないよう落ち着いてください。そして、絶対に運転者を責めないでください。世のなかには逆走していることにまったく気づかない高齢ドライバーも数多くいます。気づいた時点で早めに対処できればできるほど事故の可能性は低まります。そして、気づいたらまず近くの安全な場所に停車し、ハザードランプを点灯して車が止まっていることをほかの車に知らせてください。停車したら自動車から離れ、ガードレールの外などに退避してください。その後に近くの非常電話や自分の携帯電話から110番通報をします」