生理前の辛い「PMS」はなぜ起こる?イライラ、眠気、頭痛や腹痛の原因は?
生理前になるとPMS(月経前症候群)の影響から、イライラしたり、身体がだるくなったり……辛い症状に悩む女性は少なくないはず。そんなPMSって何なのでしょうか? 今回はPMSの原因や症状について、婦人科医の福山千代子先生に聞きました! 【PMSタイプ診断】心身の不調の原因&改善法を知ろう! 人には聞きづらい“女性特有の身体のお悩み”について、専門家にきちんと話を聞いて、正しい方法で問題解決を目指しましょう!【ViViフェムケア通信#4】
PMSってなに?
PMSとは「月経前の3~10日前から始まる、精神的あるいは身体的症状」のこと。生理が始まると軽減したり、改善するのが特長です。 お腹も痛むしイライラするという風に、PMSは複数の症状は複合的に発生する上に多岐にわたるといわれています。
なぜPMSは発生するの?
排卵後は、妊娠に適した子宮環境を保つために、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が高まります。受精卵が着床しないと、生理前にこの2つのホルモンは体内で急激に低下することに。 福山先生 PMSには、体内で女性ホルモンがダイナミックに変動することが関係しています。 このような女性ホルモンの変動は、幸せホルモンといわれるセロトニンの分泌や、神経伝達物質に影響を与えます。そのため、身体や心にいろいろな症状が現れるんですね ただし、PMSのすべての原因は分かってはいないそう。もともとの性格や環境的なストレスも関係しており、症状も人によってそれぞれ異なります。
PMSは「妊娠の準備」としての自然な現象です
辛い症状で何かと「悪者」にされがちなPMSですが、こと「妊娠・出産」という視点で考えると、PMSは「女性の身体に起こる自然な現象」と、福山先生はいいます。 福山先生 生理前の黄体期は『このあと妊娠して、赤ちゃんを育てるかもしれない時期』にあたります。身体としては、栄養や水分を溜め込んでおきたいんですね。なので、腸の働きがゆっくりになってお腹が張ったり、水分を溜め込んでむくみやすくなります。 PMSがあるということは、「ホルモンバランスが悪いのでは?」と、思う方もいますが、むしろきちんと排卵している証です。PMSとは『上手につき合っていくこと』が大切ですが、症状が強く、生活に支障をきたしている場合は積極的な治療も必要です! PMSの症状は、人によってそれぞれ違います。 もしも今あなたがPMSで悩んでいるなら、一度婦人科の先生に相談をしてみましょう。 ◆教えてくれたのは… MET BEAUTY CLINIC院長 福山千代子 先生 金沢医科大学医学部卒業。日本産科婦人科学会専門医。女性が抱える体のお悩みや不調に対し、20年以上真摯に向き合っている。丁寧なカウンセリングと診察に定評があり、更年期障害、月経痛や月経前症候群(PMS)などの治療も行う。 --------- Illustration: Tsuyako Haraniku Text: Namiko Uno Composition: Arisa Uchida
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