放課後デイ施設で中学生が死亡する事故 安全管理怠り死亡させた罪などに問われた施設の安全管理担当者の男「懲役1年10カ月・執行猶予4年」の有罪判決
大阪府吹田市の放課後等デイサービス施設で、安全管理を怠り、男子中学生を死亡させた罪などに問われている施設の安全管理担当者の男に対し、大阪地方裁判所は懲役1年10カ月・執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。 【写真】放課後デイ施設で中学生死亡事故 施設管理者の男に執行猶予付きの有罪判決 死亡していた男子中学生は衝動的に動くことがあり、送迎は複数の職員で対応することになっていたが、事故当日は1人で対応していた。 男は起訴内容を認め、検察側は懲役1年10カ月を求刑していた。
■「衝動的に動く」2人で送迎を担当のはずが…
2022年12月、清水悠生さん(当時13歳)は、障害のある子どもが通う、吹田市の放課後等デイサービス施設 「アルプスの森」で、送迎の際、施設に停めてあった車から 飛び出して行方不明になり、 その後、川で死亡した。 悠生さんは 衝動的に動くことがあったため、送迎は職員2人で対応することになっていたが、事故当日は 1人で対応していた。
■被告は起訴内容を認め検察側「懲役1年10カ月」求刑
この施設の管理責任者だった 宇津雅美被告(66)は 安全管理を怠り、 悠生さんを 死亡させた業務上過失致死の罪などに問われ、 初公判で「間違いないです」と起訴内容を認めていた。 検察側は 「障害のある児童を 預かる立場の者として 最も基本的な 注意義務に違反した」 として1年10カ月を求刑。 一方、弁護側は 執行猶予つきの判決を求めていた。
■母が裁判で訴え「”飛び出し”はこの6年間常に予測できたこと わが子の命がこのような形で奪われ悔しくてなりません」
11月の裁判で清水さんの母親・亜佳里さんは次のように訴えていた。 母・清水亜佳里さん:悠生はアンパンマンが大好きで、うれしそうに笑い声を上げて見ている姿が今でも私の記憶に鮮明に残っています。 悠生の”飛び出し”はこの6年間、常に予測できたことです。 わが子の命がこのような形で奪われ、悔しくてなりません。 またこの日、裁判が結審した後、両親は次のようにも述べていた。 母・清水亜佳里さん:本当に言いたいことはいっぱいたくさんあった、少しでも裁判官に伝わればいいかな。 父・清水悠路さん:(検察側の求刑・懲役)1年10カ月も甘く感じてしまう。ちゃんと実刑になってくれることを期待している。
■大阪地裁は「懲役1年10カ月・執行猶予4年」の判決言い渡す
そして大阪地裁(中井太朗裁判官)は12月23日、「責任者という立場で、危機管理に欠けた対応と言わざるを得ない」と指摘。 一方で、「事務所が閉鎖するなど社会的制裁は受けている」として、宇津被告に対し、懲役1年10カ月執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。 (関西テレビ 2024年12月23日)
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