ゴルフII専門店が手掛けたゴルフIカブリオレ 初期型の外装と新調された内装と幌の仕上がりは完璧
オートモビル・カウンシル2024に出展
エクステリア・デザインとパッケージングを、イタリアを代表する世界的工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏が手掛けたコンパクト・カーといえば初代「フィアット・パンダ」も有名だが、小型乗用車のスタンダードとなった初代「フォルクスワーゲン・ゴルフ」も彼の作品だ。 【写真12枚】オートモビル・カウンシル2024に出品されたフォルクスワーゲン・ゴルフIIの専門店が手掛けたゴルフIカブリオレの初期型仕様にしたエクステリアや張り替えられた内装、新調された幌など詳細画像をチェック ◆2世代を1つのモデルでカバー ビートルことフォルクスワーゲン・タイプ1の後継車として1974年に登場した初代ゴルフは世界中で大ヒットし、1983年まで生産されたが、1980年に追加されたのが「カブリオ」だ。ゴルフのオープン・モデルは3代目ゴルフをべースとしたカブリオレが登場するまでという長きにわたって販売された。2代目ゴルフにオープン仕様が用意されなかったためで、初代ボディのゴルフ・カブリオはジウジアーロがデザインしたスタイリングのまま1993年モデルまで存在するというロングセラーとなったのだ。 ◆日本のユーザーはラッキー ゴルフ・カブリオの機関系が1985年モデルからゴルフIIベースになっていることもあり、日本では、屈指のフォルクスワーゲン・ゴルフII専門店であるスピニングガレージがゴルフ・カブリオを取り扱っている。ゴルフIIのスペシャリストならではの知見できっちり整備したゴルフIカブリオが手に入るということは、日本のゴルフIカブリオレ・ユーザーにとってはとてもラッキーな状況と言えるだろう。 スピニングガレージの田中代表によると、ゴルフIIは機関系が大丈夫で、新品で手に入るパーツがまだある。いまでもヤナセの協力店が全国にあり、水冷、空冷を問わずフォルクスワーゲンの整備をやっているショップやファクトリーも各地に点在しているので、メンテナンス面での不安も少ないそうだ。 ◆1000台を超えるゴルフを整備 定期的に入庫してくるゴルフIIの総数が1000台(!)を超えているとのことで、スピニングガレージだけでもその驚異的な台数なので、ゴルフIIは残存率が高いということだろう。 「スピニングガレージは中古車屋ではなく、メンテナンスとパーツの卸しをやっている整備工場ですね(笑)。創業26年目になる街の整備工場なんですけど、ゴルフII村だと思ってくださいってお客さんに伝えています。うちのウェブショップでお客さんが部品を買って、懇意にしている整備工場に持ち込むケースもあります。そちらに整備データが無ければファックスしていますよ。整備工場側から部品を卸してくださいってオーダーされ、送ることもあります。ゴルフIIのタマ数を国内でなるべく残すことも重要な仕事のひとつになってきていますね」 ◆1993年式のクラシックライン 田中代表は、そのようにも話してくれた。4月12日~14日までの日程で開催されたオートモビル・カウンシル2024で展示した1993年式のフォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオ・クラシックライン(税込販売価格:429万8000円)は、今回のカウンシル用に仕上げたクルマで、外装を初期型時代の仕様に変更。内装を張り替え、幌も新調しているとのことだった。 自分の裁量でここまで仕上げたら確実に販売価格を超えるのは間違いない。安価ではないが、お買い得なゴルフ・カブリオ・クラシックラインだといっていい。 リフト6基、常駐スタッフ10人+アルバイトスタッフでユーザーをサポートしているというスピニングガレージは、これからもトレンドセッターとしてゴルフIIやゴルフIカブリオ・フリークを楽しませていくに違いない。 文・写真=高桑秀典 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部
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