政策金利とは何か?短期と長期、利上げと物価・為替の関係
日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げた(写真は会合後に会見する植田和男日銀総裁:ブルームバーグ)
いよいよ「金利のある世界」に戻った日本マーケットだが、シニア世代でもなければ「金利上昇」をきちんと理解できていない投資家が多いはず。そこで、金融ジャーナリストの鈴木雅光氏が徹底解説します。 連載「マネー博士が徹底解説 金利上昇に強くなる!」 の第1回は「金利のしくみ」について。0.1%から0.25%に引き上げただけで、未曾有の株価暴落をもたらした「政策金利」とは、いったい何なのでしょうか。そのあたりからお話ししていきましょう。 政策金利とは、物価を安定させるのと同時に、経済を安定的に成長させることを目的にして、中央銀行の判断で利上げ・利下げが行える「短期金利」のことです。短期金利とは、期間1年未満のお金の貸し借りに適用されるものですが、日本銀行が政策金利に位置づけているのは、「無担保コール翌日物金利」です。 無担保コール翌日物金利とは、銀行が日々の資金の過不足を調整するため、他の銀行との間で、担保を差し入れずに行う資金の貸し借りに適用される金利のことで、「翌日物」と言われるように、貸し借りの期間が1日という超短期金融取引です。この無担保コール翌日物金利の誘導目標を、日銀が「0.1%から0.25%に引き上げますよー」とアナウンスしたところ、いきなり株価が暴落してしまったのです。
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鈴木 雅光