社員を幸せにする「MAKE HAPPY 風土活性課」ってどんな部署? パナソニック インダストリーの取り組みに迫る
認知度向上から「より活用してもらう」フェーズへ製造部門の従業員も参加しやすいようにコンテンツ提供体制を拡大
――現在では数多くの従業員がイベントや企画に参加するようになりました。社内ではどのように取り組みを広報しているのですか。 「Vivaエンゲージ」という社内SNSを活用して情報を発信しています。イベントに参加してくれた従業員をグループに招待していった結果、今では6,000人以上のフォロワーを抱える社内で最も大きなグループの一つとなりました。グループ内では、イベント告知から半日でほぼ全員に周知できる体制が整っています。 参加者からはMAKE HAPPY プロジェクトに対して「学んだことを仕事で活用できた」「経営層に親近感を持てるようになった」「毎回の企画を楽しみにしている」「MAKE HAPPY プロジェクトがあるから会社に残りたいと思った」など、うれしい声をたくさんもらっています。 ――MAKE HAPPY風土活性課の活動が拡大していく中で、組織風土にはどのような影響を与えていると感じますか。 当社には四つの事業部があり、各事業部で独自の取り組みや組織が生まれています。デバイスソリューション事業部の「MAKE DS HAPPY」や 佐賀拠点には、「MAKE SAGA HAPPY」、他の事業部にも全て同じような想いを持つ組織やプロジェクトができました。そして、これらの組織とコラボレーションしながら、各拠点の従業員にコンテンツを提供しています。 想いを共有しながらそれぞれの組織に合ったミッションを掲げ、活動する仲間が増えてきたことをとても心強く感じています。こうした流れはトップダウンで発信してもなかなか生まれるものではないと思うので、本当にうれしいですね。 ――現在までの手応えを踏まえ、今後の活動に向けた展望をお聞かせください。 2023年度のMAKE HAPPY プロジェクトへの国内従業員の参加率は52%となりました。2019年度は1%だったので、大きな変化とともに手応えを感じています。また、定着率の指標としている従業員エンゲージメント(eNPS*®)のデータでは、2020年のー65 pt から2023年 ー29 pt と+35 ptアップと大幅に上昇しました。eNPSは、定着率と相関があるため、定着率も着実に上がっていることがわかります。 ただ、現状の参加者は技術や営業、コーポレート系など間接部門の従業員が多数を占めています。今後は製造拠点の従業員も参加しやすいよう取り組みを進化させるとともに、部署ごとにもアプローチして、部署・拠点単位で取り組みを進められるようにしたいと考えています。 IT企業の中には社内組織を間接部門と直接部門で完全に分け、ほとんど交わらない企業もあるのではないでしょうか。パナソニックグループでは創業者・松下幸之助の「物をつくる前に人をつくる」という言葉とともに、学びや気づきのチャンスはどの部門に所属していても公平に得られるべきだという考えが根付いています。そのための先手を打つこともMAKE HAPPYプロジェクトの役割なのです。 製造部門には専用のPCやスマートフォンを持っていない従業員が多く、間接部門と比べればイベントに参加する時間的余裕が限られています。そのためMAKE HAPPYプロジェクトではイベント内容などのコンテンツを配信する専用サイトを立ち上げ、個人スマホからアクセスして視聴できるようにしました。 さらに製造部門向けに職場懇談会の機会としてコミュニケーション診断を実施したり、自分の強み診断を組織単位で導入できるよう支援したりと、組織風土の活性化につながるさまざまな取り組みを進めています。 これまでのMAKE HAPPYプロジェクトは認知度を高めることに重点を置いて活動してきましたが、これからは「より活用してもらう」ための活動が重要となるはず。各部門・各チームの責任者や、組織風土を良くしていきたいと考える「心ある首謀者」を通じ、組織単位でコンテンツを提供していきたいと考えています。