長期入院の寝たきりの高齢者が点滴や薬を減らしたら、起きて歩き出した!? キケンすぎる高齢者の”薬漬け”
私たちが現在診てもらっている医者の多くが特定の臓器の専門家です。たとえば3人の医者に診てもらったら、それぞれの診断で薬が出されます。すると数が多くなるだけでなく、薬の相互作用による副作用も考えらえます…。どうすればいのか…。 【前編】薬の副作用を「認知症」と間違えられ人生急変の危険も…! 残りの人生を楽しんで生きる高齢者が一人でも多くなってほしい、という目的で書かれたのが『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』です。 今回はそこから、過剰な医療が行われてしまうしくみをお伝えします。 【前編】6種類以上の薬を飲んでいる高齢者は要注意! 薬の副作用を「認知症」と間違えられ人生急変の危険も…!
「年だから薬が多い」は当たり前ではない
年をとるにつれて薬が増える原因は、病気の数が増えることがひとつの原因です。 ある男性の患者さんは、50代くらいから腰痛があり、整形外科に通って痛み止めの薬を飲んできました。60代になると、健診で「血圧が高い」「コレステロールが高い」と言われ、内科で処方された血圧を下げる薬とコレステロールを下げる薬を飲み始めました。 その後、頻尿や尿意切迫といった症状が起こるようになり、過活動膀胱の治療を泌尿器科で受けています。 薬の数を数えてみると、高血圧の薬が2種類、脂質異常症の薬が1種類、過活動膀胱の薬が3種類、腰痛の薬が1種類の合計7種類。 「60代ですでにたくさん薬を飲んでいるのに、この先、年をとって、薬が増えるにまかせていいのだろうか?」と疑問を抱いています。 患者さんのなかには、「薬さえ飲んでいれば安心」と考える人がいて、数日休んでいれば治るような軽い風邪でも医者にかかり、薬を欲しがる人がいるのもたしかです。しかし、薬を欲しがったわけではないのに、いつの間にか薬が増えてしまう現状があります。75歳以上で薬を使っている人の約4人に1人は、1ヵ月にひとつの薬局で7種類以上の薬を受け取っているという調査があるほどです。