フランス人はなぜ「週に2~3日」しか髪を洗わないのか。若い世代がシャワーの時間を控える意外な理由
「フランス人は毎日お風呂に入らない」といううわさを聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、実際のところはフランス人も清潔さを大切にしています。ただ日本のように「湯船に浸かる文化がない」のは事実。フランスでは、お風呂ではなくシャワーを使うのが一般的です。 【写真を見る】フランスの狭いシャワールーム
◆シャワーは毎日浴びる?
フランスでは、多くの人が毎日シャワーを浴びます。特にパリなど都市部に住んでいる人は、「ほこりや排ガスがひどいから」と、体を清潔に保つよう努力しています。 日本と少し違うのは、「朝にシャワーを浴びる」人が多いことでしょうか。これは、朝にシャワーを浴びて清潔な状態で人と会うため。朝のシャワーを、学校や仕事に行く前の“エチケット”として考える人が多いようです。 一方で、夜にシャワーを浴びてリラックスしてから寝る人もいれば、シャワーを浴びるのは数日おきという少数派もいます。その理由は、「面倒くさい」というより、乾燥したフランスの気候に対応するため。「肌のために毎日浴びるのを控える」という考え方です。
◆フランス人は、なぜ湯船に浸からずシャワーを選ぶのか
それではなぜ、フランス人は「お風呂派」ではなく「シャワー派」なのでしょうか。これには、フランスの家の構造的な問題が関係しています。 日本の家庭にはバスタブがあるのが一般的ですが、フランスではシャワーだけのバスルームが多く、特に都市部では、スペースを有効に使うためにバスタブを置かず、シャワールームだけを設置している家がたくさんあります。 まれにバスタブがある場合でも、毎日湯船に浸かる習慣はありません。フランスの人々は、冬の寒い日やリラックスしたいときにしかバスタブを使わないのです。
◆追い焚き機能はなし。水を節約するフランス
フランスのバスタブには、日本のような追い焚き機能が全くないため、4人家族であれば一人ひとりが毎回お湯を張らなければいけません。これでは水がもったいないですし、環境への配慮も相まって「シャワーの方がエコでいいよね」という考え方になっているのです。 シャワー中に水をこまめに止める習慣も根付いています。例えば、体を洗っている間やシャンプーをしている間は水を止め、すすぐときだけ水を出すという方法です。こうすることで、無駄な水の消費を防いでいます。