時間で表情を変える日本最西端の競馬場【九州うま旅(3)佐賀競馬・見どころ編】
佐賀競馬場(佐賀県鳥栖市)は九州で唯一となった地方競馬場。最も西という地理的特徴だけでなく、この佐賀でしか体験できないものが多くある。レースについては本紙吉浦記者に譲るとして、ここでは場内の見どころを紹介する。
全国唯一の右回りパドック
入場すると左手すぐに見えるのがパドックだ。一見他場と大きな違いはなさそうだが、馬が入場してくるとすぐにわかる違いがある。周回の方向が右回りなのだ。この右回りパドック、現在国内でここだけとのこと。装鞍所から距離が近いのも地方競馬らしさだ。 1981(昭和56)年から使用されていた騎手待合所上部の手書き掲示板は惜しまれつつ9月いっぱいで運用を終了した。建物はそのまま使用される予定とのことで、往時の雰囲気はしばらく味わえそうだ。
スタンド内の展示も注目
馬券を発売しているスタンド。1階にはJRAの場外発売を行う「J-PLACE鳥栖」が併設されている。取材当日(9月末時点)は2階にスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」登場キャラクターなどのフォトスポットが設置してあり、自由に撮影できるようになっていた。また引退競走馬に関するパネル展示もあるなど、競馬にまつわる多様な情報が発信されている。
「聴きどころ」も忘れずに
スタンドを抜けると1周1100メートル、直線250メートルのダートコースが広がる。周囲に高い建物もなく、開放感のある空間だ。中央競馬ではダートコースは内側にあるが、走路が間近に迫るここではざっぱざっぱと砂を蹴り上げる蹄音がみずみずしい。 場内音声の音響の良さにも驚く。2022年にリニューアルされたファンファーレの調べも澄んで軽やかで場内実況の音声も迫力満点。長らく当地で実況を務めた中島英峰アナが昨年3月で現場を離れ、名調子が聴けなくなったのは残念だが、元ラジオNIKKEIの佐藤泉アナなどJRAでおなじみの声による実況も新鮮だ。
マスコットとの出会いも
スタンド外を巡ると、食堂エリアの近くに子どもの遊べる広場も。大きな遊具はないが、家族連れにもおすすめのグルメが近くの店舗でテイクアウトもできる。佐賀競馬場鳥栖移転50周年記念キャラクター「さがのうまこ」と、マスコット「パッカルくん」に出会えれば記念撮影も可能。