「オレの彼女は超アムロ」えええ……マジで………? クルマCMの迷コピー謎コピー傑作選│1990年代~2000年代編【10年前の再録記事プレイバック】
■「泣く子も黙る79万円」スズキ・初代スイフト(2002年)
一抹の迷いも照れも感じられないオヤジギャグコピー「泣く子も黙る79万円」。初代発売から2年後、値下げされ79万円に。これほど当時のスイフトと、スズキという会社のキャラクターを明確に押し出したコピーはほかにない。 エクステリアデザインの微妙さや「軽自動車に毛が生えた」程度のサイズ&機能含めて、まさに、泣く子も黙る大ヒット車だった。 商品のコピーは、その品を少しでも美しく、格好よく見せようとして作られるもの。普段、使わないような美辞麗句や非日常的な語彙センスの言葉を並べ立てるのが一般的なスタイルだ。 そこへきて、オヤジギャグで勝負したスイフトって本当に潔い。ま、確かにこの当時のスイフトってダジャレが似合うようなダサかわいいクルマだったわけだけど……。
■「世界のわがままGRANDIS」三菱・グランディス(2003年)
三菱が満を持して発売したシャリオグランディスの後継車、3ナンバー3列シートの次世代型ミニバン。エクステリアやインテリアには曲線を多用して日本的な美を表現していた。 テレビCMでは、「ミニバンにわがままを言いましょう。そのわがままが、ミニバンを変えるのだから」と物わかりのよさそうなことを謳い、コピーも「世界のわがままGRANDIS」とやたらと立派でスケール感があった。 が、でっかいコピーはいいっぱなしに終わり、国内での販売成績はイマイチ。「世界のわがまま」を消化不良にしたまま、2009年にひっそりと販売が終了した。
■コピーがよくて売れたクルマはあったか!?
まあ、いろんなコピーがあったもんです。ここで紹介したのは、国産車のCMに使われたコピーのほんの一部。ほかにも、秀作、傑作、ダジャレ風コピーとさまざまあり、どれもが製作スタッフの大変な努力のたまもの。本当に頭が下がります。 さて、CMのコピーとクルマの販売に関係があるのか。前出の広告マン氏によると、 「CM製作に参加したクルマが売れれば嬉しいですが、結局、クルマがいいから売れるンです。逆に、担当したクルマが売れないと責任を感じることはありますよ。正直な話、CM製作段階で、売れそうなクルマ、売れそうもないクルマってなんとなくわかる。売れそうなクルマの時は、こちらも力が入ります」 名車に名コピーが生まれるのはある意味必然的なのかもしれない。逆に売れそうもないクルマの時はどうしてるんだ。 「手は抜きません。というより思いっきり遊んだりします。意表を突くコピーで消費者に訴えかけたりね」 迷車に迷コピーは、こんなところに原因があるのかもしれない。