今は自分が“何者”かわからないままでいい――「廻廻奇譚」大ヒットのEveの『呪術廻戦』への寄り添い方
YouTubeのコメント欄には英語や各国語で書き込まれた熱い反響も目立つ。コロナ禍が続き海外との往来も制限を受ける今、Eveの楽曲は国境を超え、人々の心をつかみつつある。その秘訣は、音楽とアニメーションを通して聴く人を異世界に連れていく、その独創的なクリエーティブにある。 「ニコニコ動画やYouTubeを通して音楽に関心を持っていった自分にとっては、音楽と映像は常に一緒にあった。それが自然だと思っていました。アニメーションは、現実とはどこか違う世界に連れていってくれるもので、それがすごく心地よかった。果てしない広がりのある制限のなさに魅力を感じていた。だから、自分が作るときにも、音楽と同じくらいの熱量でアニメーションがぶつかるものにしようと思った。きっと、聴く人も見る人も自分と同じような気持ちになってくれているからこそ、日本や海外の多くの人たちに聴いてもらえているんじゃないかと思います」 --- Eve(いぶ) 2枚の自主制作アルバムを経て、2016年に全国流通盤『OFFICIAL NUMBER』をリリース。2017年発売のインディーズアルバム『文化』は初めて自作曲のみで制作され、収録曲「ドラマツルギー」はYouTubeで9000万回再生を突破。2020年2月発売の『Smile』はオリコンアルバムランキング2位を獲得。同年12月発売の『廻廻奇譚/蒼のワルツ』はランキング3位を獲得し、「廻廻奇譚」はYouTubeで1億回再生を突破した。YouTubeチャンネル登録者数は300万人を超える。