<新型ロードスター>ベールを脱いだシャシー 100キロ軽量化&アルファ車にも採用
16日から始まったニューヨークモーターショーで、マツダの次期ロードスターのシャシーが公開された。このニューヨークでシャシーをお披露目せざるを得ないマツダの事情は3月30日の記事で書いた通りだ。新型シャシーは100キロ以上の軽量化を果たし、エンジンをより後方かつ低く搭載することを可能にした。その具体的な詳細を分析してみる。 【写真】ずらりと並んだ歴代ロードスター
新型シャシー発表でマツダがコメント
新型シャシー発表に際し、マツダは以下のコメントを発表している。 ── 25年間にわたり、年々高まる環境・安全性能への要請に応えつつ、ライトウェイトスポーツカーの「楽しさ」を継承し続けるために常に進化を超えて革新に挑んで参りました。つまり、MX-5の25年間は、『守るために変えていく』歴史であったと言えるでしょう ロードスターというマツダ史上もっとも愛された名車を、モデルチェンジで道を誤らせることなく進化させるという緊張感と意気込みが見てとれる。 まずは注目の新型シャシーを見ていこう。新型シャシーにはSKYACTIV技術が投入される。マツダはこれを「軽量化と環境・安全性能を高次元で両立する」技術と位置付けている。お題目はともかく、ファンにとって最も注目するのはまずは軽量化だ。
100キロ以上の軽量化を明言
安全装備や快適装備の重量増加を飲みこみながら、車両重量を削るのは大変な作業だ。マツダは今回その目標値を100キロ以上と明言し「期待してください」と胸を張る。もともと歴代ロードスターは軽量化に留意されてきたモデルで、削り取るべき無駄が手つかずで放置されているわけではない。当然軽量化は多方面から辛抱強く余剰を削り取っていく作業になる。 新型と現行、両モデルのシャシーを比較してもらえば解るが、新型の方が前後を繋ぐ背骨部分の中央の幅が広げられており、逆に前後端では細くなっているのがわかる。背骨部分に曲げ力がかかった時、その力は梃子の長さが最大になる中央に最も集中する。逆に梃子が短い両端にはあまり力がかからない。 だから両端を細くして軽量化しつつ、中央部を太くすることで軽量化と高剛性化は両立できるのだ。あくまでも開発途上の参考展示なので、発売時に変更される可能性もあるが、フレームに設けられた軽量化の肉抜き穴もより大胆になっており、マツダの軽量化に対する執念が感じられる。