世界が注目「内視鏡AI]開発者が明かす「誰に何を聞くかしだいで人生は大きく変わる」という事実
今、世界的に注目されている医療AIスタートアップ「AIメディカルサービス」。内視鏡AI(人工知能)という技術で世界に挑もうとしている。創業者の多田智裕氏は、東京大学病院を30代で辞め、埼玉にてクリニック開業後、スタートアップという別世界に身を投じた。そうした人生の転機にあたり、いろいろな人に話を聞きに行ったことが役に立ったという。他人に学び、自分の力とするにはどうすればよいのか? 2024年5月に発売した著書『東大病院をやめて埼玉で開業医になった僕が世界をめざしてAIスタートアップを立ち上げた話』から抜粋・編集してお届けする。
■経験していない人に話を聞いても意味はない あまりご存じないかと思いますが、日本には、クリニックを開業しようとする医師のために、たくさんの開業コンサルティング会社が存在しています。 物件選びや資金繰り、看護師やスタッフは何人雇えばいいか、広報はどうしたらいいかなど、わからないこともたくさんありますから、開業コンサル会社にお願いする人も少なくないようです。しかし、私は使いませんでした。なぜでしょうか。
実はずっと以前から、ファイナンシャルプランナー(FP)に資産運用を相談する人がいると聞くにつけ、私は不思議でなりませんでした。そのFPが自分の資産運用に大成功した人であるのであれば、そのやり方を聞くのに私にも疑問はありません。ただ、そんな人はFPとして働くことをとっくに辞めて、投資家になるなり悠々自適に暮らすなりしているはずです。 実際は、相手のファイナンシャルプランナーの運用実績さえ知らないまま、大切なお金についての相談をする人が多いのではないか。私はそれが疑問だったのです。
開業コンサルも同じです。実際にクリニックを開業して成功した人が開業コンサルをやっているのならいいのですが、ほとんどはそうではありません。開業で成功した経験のある医師が行うコンサル会社もあるにはありますが、数えられるくらいしかありません。 開業コンサルは、普通のビジネスパーソンです。開業してきた人たちをかたわらでたくさん見てきたかもしれませんが、実際に開業した経験があるわけでは決してありません。実際にすべてやったのと、脇からその一部を見ているのは雲泥の差があります。コンサートの歌手と観客くらい身につく実力が違うでしょう。