「ケニアに行った日本人が?」「意外なことで現地の有名人に…」最後に手にした巨大魚に感動…。「興奮でガタガタと震えだしました」
パーミット(立ち入り許可証)を求め、湖畔の街をさまよう
即座にパーミットを取得して湖畔に戻ってやる! と意気込んでいましたが、そんな思いも空しく、パーミットを取るのに苦戦してしまいます。というのも、拠点の町ではどこでパーミットを取ればいいのか、具体的なことを知る人を見つけることができなかったのです。てっきり大きな町に戻ればすぐに見つかると思い込んでいましたが、完全に裏目に出ました。 湖畔の町なら漁師がいるので知っている人もたくさんいたはずですが、確定ではありません。不確定要素に賭けて再度往復するのはリスクが大きいと考えた私は、自力でパーミット取得方法を探すことにしました。時には騙されて市場の職員に賄賂を払いそうになったり、無断でトゥルカナ湖に繰り出すよう唆されたりもしましたが、情報収集も兼ねて訪れたもう一つの湖畔の町で、ようやく取得方法を聞き出すことに成功します。 どうやら拠点の町の外れにケニアワイルドライフサービス(通称KWS)という機関があるそうで、そこに滞在予定日数分の滞在費を支払うことで、パーミットを発行してくれるそうなのです。私はすぐさまKWSを訪れて1週間分の滞在費を払ってパーミットを取得し、三度目のプロボックスへ乗り込みトゥルカナ湖へ戻りました。
一難去ってまた一難。爆荒れで釣りができない日々…
パーミットを取得してからは漁師との交渉もすんなり進み、翌日にはトゥルカナ湖に小船を浮かべていました。目指すは人里離れた漁場。そこで1週間キャンプをしながら釣りをする魂胆です。しかし、そう簡単にはいきませんでした。湖上では見る見るうちに風が吹き荒れ、それに伴いどんどん波が高くなっていきました。 湖といえば穏やかで煌びやかな印象ですが、冒頭で記したようにトゥルカナ湖の面積は琵琶湖の10倍。わかりやすく言えば、もはや海です。爆風で荒れ狂うトゥルカナ湖を木造の小船で航行しますが、波がドバドバと入ってきます。何もかもがびしょ濡れですが、かまっている暇はありません。絶えずひざ下まで溜まっている湖水を掻き出しながら、時折来る大きな波は船にしがみ付きます。そうこうするうちに日は落ちていき、私たちは湖の中洲で野宿することにしました。