新型フリードの走りがヤバい! 乗ってわかったHVの衝撃! あら探しチェックで見つけた欠点とは
■2モーターになったe:HEVの走りはどうだ?
パワーユニットは、直列4気筒1.5Lのノーマルガソリンエンジンとハイブリッドだ。ノーマルガソリンエンジンは、先代は直噴式だったが、新型は一般的なポート噴射に改められた。 ハイブリッドは、従来はi-DCDと呼ばれるタイプで、2組のクラッチを使う有段ATを組み合わせたが、新型は今のホンダ車に多く採用されるe:HEVだ。 通常の走行では、エンジンは発電を行ってモーターが駆動する。高速巡航時には、エンジンがホイールを直接駆動して、燃費効率をさらに向上させる制御も行う。 e:HEVを試乗すると、モーター駆動とあって滑らかだ。電気自動車と同様、アクセル操作に対して機敏に反応するから運転しやすい。 動力性能をガソリンエンジンに当てはめると、2Lを超える排気量に相当する。直列4気筒エンジンもメリットで、トヨタが搭載車種を増やしている直列3気筒1.5Lに比べると、ハイブリッドについてもエンジンノイズが小さい。 e:HEVの走りは、従来のi-DCDと比べても上質だ。i-DCDは、有段式ATとの組み合わせでエンジンも駆動を行うから、回転数を変速の度に頻繁に上下させる。クラッチの断続も行われて変速時のショックが小さくないが、モーター駆動のe:HEVは滑らかだ。エンジンノイズも小さい。 販売店ではWLTCモード燃費も明らかにしている。試乗したe:HEVエアーEX・2WD(6人乗り)は25.4km/Lで、先代ハイブリッドGの20.9km/Lに比べると、燃料代を約18%節約できる。新型ハイブリッドのe:HEVは、従来のi-DCDと比べて魅力を大幅に強めた。 その一方でノーマルガソリンエンジンは、従来の直噴式からポート噴射に変わり、動力性能も少し下がった。 先代の最高出力は129psだったが、新型は118psで、最大トルクも15.6kgmから14.5kgmに変更された。販売店によるとWLTCモード燃費もエアーEX・2WD(6人乗り)が16.4km/Lだから、先代の17km/Lよりも若干悪い。 ■先代フリードのパワートレーン HV=1.5Lエンジン(110ps/13.7kgm) +電気モーター×1(29.5ps/16.3kgm) 1.5Lガソリン車=129ps/6600rpm、 15.6kgm/4600rpm ■新型フリードのパワートレーン HV=1.5Lエンジン(106ps/13.0kgm) +電気モーター×2(122ps/25.8kgm) 1.5Lガソリン車=118ps/6600rpm、 14.5kgm/4300rpm 開発者は、直噴式からポート噴射に変更した理由として、エンジンノイズの低減と運転のしやすさを挙げている。 確かに粗いエンジン音は新型では静かになり、実用回転域では運転しやすいが、アクセルペダルを踏み増した時の駆動力の盛り上がりは大人しい。コストの低減も大切な目的だろう。従ってパワーユニットはe:HEVが魅力的だ。 その代わりノーマルガソリンエンジンは、e:HEVに比べると、車両重量が100kg程度は軽い(詳細な数値は不明)。そのために運転感覚は軽快だ。峠道のような曲がりくねったテストコースでは、適度に機敏で良く曲がった。