駿河メイ、8年ぶりの『我闘雲舞』後楽園大会で頂点を目指す決意表明!師匠さくらえみへ「我が子に刺される覚悟をしてて欲しいです」
「自分の苦手分野も得意分野も、一旦逃げずに全部やってみるというのは、ずっと大事にしてることかな」
③師匠・さくらえみへの想い ――メイ選手にとって、さくら選手は指標で師匠であり、プロレス界の恩人でもあると思うんですけど。今度は挑戦者として王座を取りに行かないといけない立場なので、そういった部分を踏まえていろいろな思いがあると思いますけど、さくら選手はどんな方ですか。 後楽園に向かっていく中で、悔しい!と既に思わされてます。その場の瞬発力がものすごく早いんですよね。大きい出来事に向かっていく加速力というのがものすごく高い選手だなと感じています。例えば、腰がすごく悪いんですけど、でも自分を挑発するために、あえてブリッジを使う技を取り入れたり、メイのフィニッシュで試合を決めたり。普段は匠でなく、家族のように過ごしている分、ここだと動き始めるさくらさんは亀とチーターくらい変わります。 ――そこすごいですよ。(笑)負けず嫌いというか。 だから、ビッグマッチに向かっていく加速力、加速の出し方を、さくらさんはもう知っていらっしゃるんだなと感じていますね。 ――感情のコントロールがすごいなと、爆発する時、一気に爆発する(笑) そうなんですよ。まだ自分は、お客さんみんなで進んで行こうねという気持ちだったんですけど、さくらさんは、そういった時にも、お客さんを置いていくぐらいの速度で進んでいかれるんですよ。実際、その里村さんの件もSNSで見て、自分もびっくりしていたので。 ――あれは、びっくりしますよね。里村選手もめちゃくちゃびっくりされていたって(笑) だから、そういう瞬発力に、本当に気を抜くと置いかれそうになっちゃう。だから、そこはやはり気をつけていきたいなっていうところでもありますね。 ――プロレスの師匠として何かいろいろなアドバイスを受けてきて、これちょっと深い教えみたいなのはあったりしますか。 二つありますね。どちらもデビューする前に言われているんですけど、一つは「人が10年で行くところを、あなたは1年で歩みなさい。私達が、もう間違えたり失敗したり経験したことはもう全部あなたのものだから、それを踏まえた上で、進みなさい、そしたら早く進めるんじゃない」とおっしゃったことと。もう一つは「メイちゃんは、先輩を追い越しそうになった時、あなたは耐えられる?」と質問されたのをすごく覚えています。自分は、「はい大丈夫です。」と(笑) ――その時から、しっかり自分の意見を言えると。 私は、バスケットボールを6年間やっていましたし、そこでも競争社会ではあったので。そういったプレッシャーは、自分は耐えられると思いますと答えました。 ――素晴らしい。 そしたらさくらさんが、うん、わかった、という(笑)。そういう会話はすごく覚えています。 ――6年前の話ですよね。 そうです。今だったらすごくわかるんですけど。その選手が、もうどこまで進みたいかによって、私も自分たちもどこまで教えるかじゃないですけど。例えば、海外を薦めててみるとか、この団体、ちょっと合ってるんじゃない?と薦めててみるとか。個人グッズをちょっと出してみたらいいんじゃない?と薦める、その方向性がちょっとずつ変わってくるじゃないですか。きっと、さくらさんはその時そういうのを見定められていたんだろうなというのを、今になって感じますね。 ――なかなか深い質問をされてきますね。 まだ18歳だったので、本当に、はい!って答えることしかできなかったんですけど。(笑)はい!って答えていて良かったなと思います。 ――なりたい自分になるのって、非常に、みんな難しい経験とかも、違うのかもしれないですけど。そういう例えば、なりたい自分になる方法みたいなのは、どうやって身に着けてこられたんですか。 なりたい自分になる方法…自分の中で大事にしてるのは、近道をしない。 ――近道をしない? さっきの、さくらさんからおっしゃった言葉で言えば、10年で行くところを1年で行ってと言われると、近道みたいに聞こえるんですけど、実際それをやってみるとちょっと違うなというような感じで。例えば、学校だったら、全部勉強しなきゃいけないじゃないですか。算数嫌いだけど、1から全部やらなきゃいけないし、ここを読みたくないけど読まなきゃいけないみたいな。だけど、自分の苦手分野も得意分野も、一旦逃げずに全部やってみるというのは、ずっと大事にしてることかなと。 ――やはり経験ですかね。 プロレスラーになってからだと、例えば、「そこを掃除しなさい」と言われたら、とりあえず、はい、と言うとか。今日はちゃんこを作って、その後ライブ配信をして、あなたのテーブルの上を片付けて、道場のマットを綺麗にこなして、それから帰りなさいと言われたら、とりあえず、はい!って。 ――当たり前のことを、しっかりこなしていくと。 やはりその当時言われてもわからないことってあるじゃないですか。これって意味あるのかなとか、自分はなんでこれをするんだろうとか。こっちの方が早いのになって思うこともたくさんあるんですけど。でも、それを全部やった上で、本当にその必要なことを、やっと自分の中で絞れるんじゃないかなと思ってますね。