【伊原六花さん】最新映画で雑誌編集者を熱演『何事も主体的に学ばないといけない』|CLASSY.
関西のダンス強豪校のキャプテンとして結果を出し、上京して芸能界入りした伊原さん。着々と夢を叶えているように見えますが、「小さな嘘をよくついていました」と語るその訳は…?どんどん成長を遂げるその秘密が、少しわかるインタビューです。 ▶︎【伊原六花さん】最新映画で雑誌編集者を熱演『何事も主体的に学ばないといけない』
苦手なものもとりあえずやってみる。気になったものはやってみる。そこから取捨選択します。
私、昔はカッコつけがちなタイプだったんです。部活でキャプテンを務めていたので、できない姿を見せると部員が不安になってしまうだろうからと、できるだけコソ練していました。周りに中途半端な自分を見せることがずっと苦手でしたが、大人になるにつれ、できない自分を隠さない人ってカッコいいなって思うようになって。できそうにないことを「できます!」と言う人よりも、「できるかな…。まずやってみます!」って正直に向き合う人のほうが魅力的に感じます。私はまだ、恥ずかしい気持ちが勝ってしまって、100%そうはできていないけれど、がむしゃらに頑張る人をカッコいいと思う。張り切っていて、カッコ悪いな…と思いたくないんです。思い返せば、デビューしたての頃はよく小さな嘘をついていました。「知ってます」とか「全然できます」とか。でも必ずしわ寄せがきて、それがしんどかった。例えば、「この絵を1週間で仕上げられる?」と聞かれて、絶対無理だけど快諾したり。後から「言わなきゃよかった。でも言ったからには守らないと」と頑張っていた時期もありました。「1週間は厳しいかもです、2週間欲しいです」って素直に言えたほうが楽だし、いいものを出せる気がしつつも、小さい嘘をついていました。最近は、できない自分を認めて、それを伝えられるようになって楽になってきましたね。舞台の現場で、作品についてディスカッションするテーブルワークが行われることがあって。そのなかで、たとえ相手と違っても、自分の意見をきちんと伝える大切さを知ったことも、NOと言えるようになったきっかけです。
誰もレールは敷いてくれないけれど今こそ自分から勉強しなくては、と思っています
2021年に舞台「友達」に出演した際、現場で共演者のみなさんがお話しになる、好きな戯曲や演出家の話がまったくわからなくて、悔しい思いをしました。俳優を始めてから、意識的にたくさんの作品を観てきたけれど、自分は何も知らないんだなと感じて。その舞台では、山崎一さん、キムラ緑子さん、林遣都さん、有村架純さんといった錚々たる先輩方とご一緒していて、みなさん貪欲にインプットされている中で、私は勉強する・吸収するっていう意識が足りなかったことを痛感しました。この仕事は学ぶべきことが多いけれど、明確な勉強の仕方があるわけじゃない。みなさんの話に入れなくてかなり悔しかったのですが、ただ舞台を観に行くだけでなく好きな演出家や芝居を明確にしていく、という勉強法を見つけられた貴重な出来事でもありました。芝居へのアプローチもみなさんそれぞれで、正解はひとつではないことも知ることができた。俳優業をもっと深めていきたいと改めて実感した作品でした。悩んだときは先輩にどう乗り越えたかを聞きます。作品でご一緒した方だったり、その繋がりでできたサウナ部とT(大衆)演劇部の40~60代の先輩方に相談することが多いです。私が「稽古が上手くいっていなくて…」と切り出すと、「私も切羽詰まっていて、出口が見えていないんだよね」と話してくださることもあって。「大丈夫だよ、できるよ」みたいに何となくの慰め言葉ではなくて、ご自身の体験談も隠さずに教えてもらえると、自分も頑張ろうという原動力になるんです。年齢問わず、壮大な夢を掲げている人は素敵に見えます。変に現実を見て「こんなもんだろう」と自分で勝手に限界を決めるより「絶対スターになる」とか「あの賞を獲る」と口に出せるほうがカッコいいし、私もそういう生き方を選びたいです。