ナイケンGTが4月21日で国内販売終了! このままでは欧州でも絶版か?
[ヒストリー]2018年に登場し、あのタレントもPRに起用していた
ナイケンの素姓と歴史を改めて振り返ってみよう。 初代ナイケンは2017年秋のミラノショーで発表され、2018年にデビュー。白眉は何と言ってもフロントの2輪機構だ。基本構造としては、独自のパラレログラム(平行四辺形)リンクがカギで、左右上部フォークとそれをつなぐ2本のリンクが左右にスライド可動することによって同時にタイヤをリーンさせている。 コミューターのトリシティとは違い、バンク角を確保するため片側2本ずつ片持ちフロントフォークが外側に配置しているのも特徴。バンク角はスポーツバイク並みの45度を確保している。 タイヤの向きを変える操舵機構は、パラレログラムリンクの下にあるタイロッドをハンドル操作で可動させることで行う。これは4輪で使われるアッカーマン構造と基本的な構造は同じだ。 クルマで一般的なアッカーマンジオメトリは、旋回時にフロント左右操舵輪に内外輪差が生じても、滑らかな旋回性をもたらす構造。しかし、これをバイクに採用し、深くバンクさせた場合、フロント左右タイヤに内外輪差が発生し、ハンドリングに悪影響が出る。そこでヤマハ独自の“LMWアッカーマンジオメトリ”を導入し、スムーズな旋回を実現した。 2019年型でツーリング性能を高めたナイケンGTを追加。そして2023年型で初のビッグチェンジを敢行し、国内では同7月に発売された。 新型は3気筒エンジンを888ccに拡大。メインフレームやリヤショックを改良したほか、70mmの高さ調整が可能になったスクリーン、新型シートを採用した。メーターは7インチのカラー液晶となり、スマホとの連動機能も装備している。 日本国内ではSTD仕様が2020年型でラストとなり、GTのみの販売に。欧州でも2023年型でGTのみのラインナップとなっている。
受注期限は間もなく! 気になっていた人は実物を要チェック
欧州での動向は不明だが、日本でナイケンを新車で購入できるのはこれがラスト。 3輪の新感覚スポーツだけに、気になっていたけど購入にまで至らなかった人も多いハズだ。しかし、新車で購入できる期限が間近に迫っている。受注できるのはナイケンGT取扱店に限られるが、近くに展示車や試乗車があるなら足を運び、その目で実物を確かめてみてはどうだろうか。これほど独特なバイクは今後現れないかもしれない。
ナイケンGT(国内仕様)主要諸元
・全長×全幅×全高:2150 × 875 × 1395mm ・ホイールベース:1510mm ・シート高:825mm ・車重:270kg ・エンジン:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 888cc ・最高出力:116PS/10000rpm ・最大トルク:9.3kg-m/7000rpm ・燃料タンク容量:18L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=120/70R15、R=190/55R17 ・価格:220万円
Webikeプラス編集部