藤井フミヤ『TRUE LOVE』制作秘話を明かす
昨年デビュー30周年を迎えた、ミュージシャンの藤井フミヤ。その記念ツアーのスペシャル企画として行われた年越しライブを、BSフジでは「’13 藤井フミヤ カウントダウンin武道館」として5月に放送する。さらに今年の8月からは、アニバーサリーイヤーの後半戦となる「藤井フミヤ 30th アニバーサリーツアー Vol.2 TRUE LOVE」をスタートさせる。そんな藤井が語ったこれまでの軌跡には、知られざる名曲誕生の秘話が埋もれていた。
1983年に7人組ロックバンド、チェッカーズのボーカリスト「藤井郁弥」としてデビュー。『ギザギザハートの子守歌』、『涙のリクエスト』など、今でも歌い継がれる楽曲を次々に発表し、音楽業界の枠を超えた一大ムーブメントを巻き起こした。それから約9年、1992年に惜しまれつつ解散。藤井は「藤井フミヤ」としてソロ活動を開始し、翌1993年には連続ドラマ「あすなろ白書」の主題歌、『TRUE LOVE』を書き下ろす。このソロ第一弾がミリオンセラーとなった。しかし、大ヒットにも関わらず藤井は「まったくピンと来なかった」と振り返る。 そもそも「当時ドラマのプロデューサーだった亀山千広さんから『フミヤ、曲を作ってくれよ』と言われて受けたものの、生まれて初めての作詞、作曲。普通は何曲か持っていくけれど『これしかない』って、この曲しか持っていかなかった」。1990年代前半は、サビでガツンと聴かせる音楽がブームだった時代。カセットテープに吹き込まれた『TRUE LOVE』を聴いた亀山氏の第一声は「弱いなぁ」だったという。藤井も「きっちりとしたメリハリもなくて、タラ~と流れていくような曲だから、自分でも弱いと思った。だから『これは絶対に売れるぞ!』という欲はゼロ。『頼まれたから一生懸命作りました、以上!』という無欲の状態だったね」と、制作当時の心境を明かす。しかし、ドラマの人気と相まって楽曲は大ヒット。驚いたのは他でもない、藤井自身だったのかもしれない。