藤井フミヤ『TRUE LOVE』制作秘話を明かす
「井上陽水さんに『フミヤ君、君はわかってない。あれが売れるのと売れないのとでは大違いだよ』と言われたけど、その意味は後々になってようやく分かった。1枚目にしてソロの代表曲ができたのはありがたいこと。これは意外と難しいことだと、しばらくしてから気付いた」と照れたように頭をかく。まさに『TRUE LOVE』が追い風になったソロ活動だった。 一方で、昨年末に行われたアニバーサリーツアー、カウントダウンライブでは「これまであまり歌ってこなかった」というチェッカーズの楽曲を惜しげもなく披露した。その理由について「デビューから30周年のライブだから」とそっけないが「チェッカーズの曲には勢いがあって、どれも古さを感じさせない。詞や楽曲に対する新たな発見もあったし、歌った後は凄く疲れてクタクタになった」と、当時とはまた違った感慨も生まれた。さらにカウントダウンライブでは、チェッカーズ解散ライブのアンコール曲「Long Road」を、あえてアンコールに持っていく憎い演出も行った。「せっかく解散ライブをした武道館でやるんだし、チェッカーズの楽曲も歌うんだから、あの時を感じてほしかった。近くで見たら顔には皺があるけど、引きの画で見たらシルエットは当時の藤井郁弥。あの時を彷彿とさせるライブをやったつもり」と充実した表情を浮かべる。 そうなると期待してしまうのは、伝説的バンドの復活だ。チェッカーズ再結成はあるのか。この問いに対して藤井は「再結成?それはないね」と答える。「メンバー(徳永善也氏)も一人亡くなってるし、音楽から離れている人間もいるから、なかなか難しい」と説明。音楽を続けるメンバーとは音楽フェスなどで顔を合わせ、昔話に花を咲かせることもあるというが「そこから『再結成をしよう』という話にはならない。もしかしたら遅すぎたのかもしれない。ビートルズのようなものだね」。本人たちにとっても、ファンにとっても、伝説は伝説のままの方がいいのかもしれない。