社説は読まなくてもいい。それよりも重要なのは…仕事のデキる人がやっているタイパ最強の新聞の読み方
新聞はどう読むのがいいのか。経済コラムニストの高井宏章さんは「紙の新聞の価値の5割以上はレイアウトを含めた見出しにある。極論を言えば、見出しを眺めるだけでもいい」という――。(第1回) 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)の一部を再編集したものです。 ■新聞は見出しを眺めるだけでいい ---------- 高井:経済コラムニスト。元日本経済新聞編集委員。 新倉:プロ雀士。東京大学法学部卒業後、日本プロ麻雀協会に所属。 布施川:現役東大生(文学部)。学業の傍ら東大生ライターとしても活動中。 ---------- 【高井】新聞は1日分で文庫本1冊くらいのテキストが入っていると言われています。それをどうやって15分で飛ばし読みするかといえば、見出しだけ眺めるんです。 【新倉】見出しだけ、でいいんですか? 【高井】それである程度、何が書いてあるかわかるように作ってある。気になったら中身を読んでみればいい。独断ですけど、紙の新聞の価値の5割以上はレイアウトを含めた見出しにあるんです。ここはネットメディアよりも価値があると断言できる。見出しを固めるのに、どれだけ労力をかけているか、ちょっと想像を絶しますよ。 【布施川】何がそんなに大変なんですか。 【高井】新聞の見出しって最長12文字くらいしか入らないんですよ。そこに情報とニュアンスを詰め込んでいる。情報量がすごく多い。ネットの見出しはクリックしてもらうために「釣り」気味になりがちだし、検索キーワードを盛り込んだりする「SEO対策」を優先せざるを得ない。紙の見出しの方がはるかに洗練されている。 ■大きい見出し=大事なニュース 【新倉】ほとんどのネットニュースだと見出しは短くて20字くらいか、それ以上ですよね。その半分だと思うとメチャクチャ短い。たとえばこの記事の見出しも、「非鉄」の2文字だけで金属の話だとわかるようになっている。 【高井】全部そんな調子で、燃費がメチャクチャいいんです。朝刊の1面の見出しをどうするか、キャリア10年、20年、30年なんてベテランが何人も集まって、顔を突き合わせて、1時間、2時間とウンウンうなって決めてる時もある。あと、見出しは文言だけじゃなく、サイズと位置も情報になっている。シンプルに、見出しが大きければ、大事なニュースです。 【新倉】大きさで決まるんですか(笑) 【高井】シンプルでしょ。あと見出しが横向きにレイアウトされていて白抜きになっていれば、超重要とか、法則がある。重要度が高いニュースほど、見出しが目に飛び込んでくるように強調されている。複数の見出しがついている大きな記事の場合、慣れてくると、視線が誘導されて大事なポイントが順に頭に入るようにデザインされている。