映画『ボルテスⅤ レガシー』のコラボビールを飲み比べてみた(Vol.ⅡⅢⅣⅤ)
④U.B.P「ボルテスⅤ IPA」
「Vol.Ⅲ」に選んだU.B.Pブルワリーのビールは、今年2月に訪れたジャパンブルワーズカップで「ダークホースIPA」を飲んだ(競馬好きだけにダークホースという名前にひかれた)。ちなみに「U.B.P」は「URAWA BEER PROJECT」の頭文字だという。浦和ワシントンホテルの1階にあるタップルームでは浦和レッズを中心にサッカーの試合をモニターで放映し、サッカーとともにクラフトビールが楽しめる空間を提供しているそうだ。いつか訪れたいと思っている。
今回の「ボルテスV IPA」はダブルIPA。サイトには<ボルテスVの力強さに負けないアルコール度数8.5%のストロングなDouble IPA>とある。見た目はやや褐色がかった少し濁った黄色といったらいいか。
「これぞオーセンティック(「本物の」「正真正銘の」「信頼できる」)IPA」と克己さんが声を上げる。友人も「これぞIPAの王道」と称賛する。
ホップの香りが漂う液体を口に含むと、この日飲んだ中では最もモルティーだ。最後に苦みがしっかり残る。「期待通りのダブルIPAですね」と話す友人と同じ意見だ。クラシカルなダブルIPAのファンとしては、友人の言うように「求めていたIPAがようやく来た」という感じだ。食が進む。しゃぶしゃぶがおいしい。ラベルは「U.B.P」のロゴにボルテスVのVをあしらったもの。シンプルだけど力強い。
今回集まった3人はクラフトビールファンなのだが、その中でもIPAの愛好家。しかも、IPAの中でもアルコール度数の高い、麦芽とホップ増し増しのダブルIPA(正式名称はインペリアルIPA)や、さらにアルコール度数が高いトリプルIPA(ダブルの上を行くからトリプルだ)を好んでいる。
前回の連載で<ビールは嗜好(しこう)品。それだけに、飲んだ感想を表現するときは「うまい」「おいしい」「まずい」ではなく「好み」「好みじゃない」。嗜好品だけに人それぞれ。3人寄れば「好み」と思う人もいれば「好みじゃない」と思う人もいることをわかってください>とつづったが、逆にビールの好みが似通っている者がそろうと、同じビールばかりを推すことになってしまう。今回はそのパターン。実は前回、「このセットリストを見て一抹の不安を覚えた」と書いたのは、じつはこれ。友人が決めた今回のコラボビールを飲む順番が、1本目から4本目まですべてIPAだったからだ。IPAではない残りの3本を飲んで、克己さんと友人がどんな感想を言うのかちょっと気掛かりだ。