映画『ボルテスⅤ レガシー』のコラボビールを飲み比べてみた(Vol.ⅡⅢⅣⅤ)
「Scuderia electro magnetic(スクーデリア・エレクトロ・マグネティック)」(スクーデリア・超電磁とでも訳せばいいのか? スクーデリアはウィキペディアには「イタリア語で馬小屋や厩舎を意味する単語であるが、転じてモータースポーツにおいてのチームそのものを差す語でもある。日本語においては後者の意味でイタリアの自動車チームに対して用いられる」とある)は、映画『ボルテスⅤ レガシー』を制作したフィリピンをリスペクトし、フィリピン産バナナを使用したオーディナリービターだそうだ。オーディナリービター(Ordinary Bitter)は、サイト「CRFT BEER LIFE」によると、英国の伝統的ビールのひとつ。その中でもセッション系と言っても差し支えない低アルコールのビールだとある。このコラボビールのアルコール度数は4%。なるほど低めだ。
ここで大失態を演じてしまった。『ボルテスⅤ レガシー』“超電磁リスペクトTV版”に心を奪われ、このビールだけグラスに注いだ後の写真を撮り忘れてしまったのだ。不覚。残念無念。サイトにある写真を見てください。「銅色」と表現しています。
「これ、IPAじゃないよね」と克己さん。心配していたことが起きてしまった。「苦味なし。満足感がないね。好みから外れている」。友人も「なんだかよくわからない」。IPAでないことで心が離れてしまったようだ。僕の感想は、伝統的ビールでいながらエッジが効いている。僕自身もIPA愛好家なので嗜好と違うが、こういうビールを造ったチャレンジングスピリッツに拍手を送りたい。同じ『ボルテスⅤ レガシー』のコラボでも、造り手によってこれだけ違うものができることにビールの奥深さを感じた。
ラベルも目を引く。東映の映画宣伝部Oさんによると、ディレイラだけは、映画の宣材を使わず、自社でボルテスⅤを描いたものだそうだ。ディレイラがこれまで造ってきたビールのラベルを見ると、個性的でハイクオリティーでこだわりを強く感じさせるものばかり。これぞ、Oさんの言う「ジャケ買い文化があるクラフトビールにおいてカッコいいラベルデザインを手掛けるブルワリー」だと思った。