高知愛あふれる阪神・藤川球児監督の安芸キャンプ 集客14万人の「闘将星野」超え期待
11月1日から高知県安芸市でプロ野球阪神の秋季キャンプが始まる。高知市出身の藤川球児新監督は郷土愛が強く、「地元に喜んでほしい。フィーバーも起こしてほしい」と熱望する。阪神では高知県出身の指揮官は初。地元でも藤川監督の話題が多く飛び交うようになったといい、秋季キャンプに向け「タイガースタウン」として親しまれている安芸市営球場の警備体制も過去最大級となるもようだ。 【写真】独立リーグ時代、試合後にファンにサインする高知の藤川投手 ■あふれんばかりの郷土愛 秋季キャンプでは岡田彰布前監督の指揮下ではなかった実戦も予定。選手らに緊張感とアピールの機会をもたらす狙いもあるが、藤川監督は「やっぱり、安芸市の方も喜んでくれる。何のためにプロ野球のキャンプがあるか。野球界としてすばらしいプレーを見てもらいたい」。言葉には郷土愛があふれている。 現役時代から生まれ故郷に寄り添ってきた。2005年オフに骨髄移植を必要とする病を発症した高知の元高校球児の存在を知ると、07年にドナー登録。骨髄移植の啓発活動に携わってきた。米大リーグ挑戦後には、地元の独立リーグ「高知ファイティングドッグス」に入団。登板試合のチケット売り上げの1割は、児童養護施設に寄付された。 20年の現役引退直後には文化やスポーツなどさまざまな分野で業績を挙げた高知ゆかりの個人や団体に贈られる「龍馬賞」を受賞。「坂本龍馬からは自分で道を切り開いていくことを教えてもらった。龍馬は人生の師匠」と語った。県内各地の野球教室などに参加し、子供たちに野球の魅力を伝え続けるなど、生まれ故郷での活動は数えきれない。 ■地元ではスーパースター 高知では最近、「監督になったねー」「楽しみやねー」などと、藤川監督の話題が、あいさつ代わりに交わされるようになったという。「機運は高まっている。期待度はすごく高い」と話すのは、高知県観光コンベンション協会の河野和弘スポーツ推進本部長。「すごいプロ野球選手を数多く輩出している高知ですが、ここ最近では、藤川さんが最後のスーパースター」と説明する。 高知県のPRを行う「高知家プロモーション」には「高知県は、ひとつの大家族やき。」という、大切にしてきたキャッチフレーズがある。「まさにこの言葉通りで、県内では身内が監督になったという感覚」と河野さんは強調する。