いきなり「フェンディ」にキュンキュン、捕まらないウサギを追い続ける「マルニ」って一体!? 2025年春夏ミラノ日記Vol.1
後半にかけて装飾を増していくのは、ウサギの予期せぬ動きを表現したものでもあるようですが、時代に応じて変化する完璧を求めて、思考し、手を動かし続ける人間の豊かな可能性などを表現しているのではないか?と。「大袈裟な」と思われるかもしれませんが、これがランウエイショーの魅力であり、フランチェスコの「マルニ」の醍醐味だと思っています。
正直、万人が着られる洋服は、決して多くないけれど、ショーの後は拍手喝采でした。コンセプチュアルなファッションショーで、今の時代に問いかけるクリエイターが賛美される。ファッションショーには、いつまでも、そんなムードが残って欲しいと思っています。って、アツく語っちゃった(笑)。
木村:初日のラストは「MSGM」本社へ。「MSGM」は今回、ショーではなく、インスタレーション形式で最新コレクションを発表しました。会場の床にはブルーの砂のような素材でうねる動線を作ります。今回は、夏のリゾート、海、波、ブルーがキーのようです。立体的な刺しゅうでさざ波のような表情を作るスパンコールミニドレスやメッシュ素材のマーメイドスカート、フラワープリントのスカートなど夏らしさ満開。
マッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)デザイナーは自身が別荘を持つ、地中海沿岸のリグーリア州の風景から今回のコレクションを制作したそうです。「美しい夏の午後、海岸でお酒をたしなむ。そんな充実した時間の感覚を楽しんでほしい」とコメント。スモールコレクションでしたが、アート好きのマッシモのセンスがよく分かる空間で、アイテムも近い距離でゆっくり見ることができ、フレンドリーなマッシモとも直接話せて、楽しいプレゼンテーションでした!