【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】次のスペインGPはシーズンの行方を占う重要な一戦になる!
■好調をキープするRBだが、チームの作戦には疑問 3戦連続でポイントを獲得していた角田選手がドライブするRBはカナダでも調子が良さそうで、予選で角田選手は8番手、チームメイトのダニエル・リカルド選手は5番手という好位置につけました。角田選手はQ1で2番手、Q2では4番手のタイムを叩き出していたので、もう少し上を狙えたと思いますが、悪くないポジションからスタートすることができました。 ただ決勝でのラップタイムを追いかけていると、RBのマシンには予選のときほどのスピードがなく、前のマシンを追い抜いて順位を上げるという勢いはなかった。それでも角田選手はうまくレースをまとめていたと思います。レース中盤にセーフティカーが導入されたときに大半のドライバーはタイヤ交換をしましたが、角田選手はコース上にとどまり7番手に浮上。 そこからポジションを落としますが、ゴールまで残り5周の時点で、角田選手は9位、リカルド選手が10位を走行していました。そこでチームからリカルド選手に対して「ユウキと戦っていい」と無線で指示が出ます。「なぜ!?」と驚きました。ポジションが入れ替わったとしてもチームとして獲得できるポイントは変わりません。バトルをすれば、余計なリスクを負うだけです。 後ろからプレッシャー与えられた角田選手はスピンを喫し、結果的に大きく順位を落とすことになります(最終結果は14位)。スピンしたのは角田選手のミスですが、RBの作戦には大いに疑問を感じましたね。
■マシンの実力が明確に見えるスペインGPは注目 次のスペインGPは現時点でのチームの序列が明確になると思います。戦いの舞台となるのはバルセロナ郊外のカタロニア・サーキット。長いストレートとさまざまなタイプのコーナーが設置され、マシンの総合力が問われるコースです。 各チームがテストで頻繁に使用しており、データが豊富にあります。また多くのチームが空力の改良パーツを持ち込む予定ですが、カタロニアは空力効率も求められるコースなので、アップデートの効果がタイムに反映されると思います。各チームのマシンの実力がはっきり出るでしょう。 注目しているのはメルセデス。カナダGPの勢いが通常サーキットで開催されるスペインGPでも健在であれば、これからのシーズンは本当に面白くなります。レッドブル、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスの4チームが優勝争いをする展開になってほしいと願っています。 もちろん角田選手が所属するRBと上位グループとの力関係も気になります。もしトップ4チームに肉薄することができれば、表彰台も視野に入ってきます。スペインGPは今後を占う重要な一戦になりますし、スペイン(決勝6月23日)、オーストリア(決勝6月30日)、イギリス(決勝7月7日)の3連戦はシーズン前半戦の大きな山場になると思うので、見逃せません! ☆取材こぼれ話☆ 24年シーズンはまだ序盤戦が終わったばかりだが、すでに来年を向けての動きが加速している。レッドブルがペレスと新たに2年契約を結び、2026年シーズン末まで残留すると発表。角田選手もRBと25年シーズン末まで契約延長することが決まった。 「角田選手のRB残留が決まってひとまずよかった。これまで移籍先の候補としてハースやアルピーヌなどの名前が出ていましたが、今シーズンの角田選手はドライバーズランキング10位に入るだけの活躍をしています。トップチームから声がかかってもおかしくないと思っています。来シーズンの残されたシートは少なく、あとはフェラーリを離脱することが決まっているサインツ選手がどこに行くのか......? 彼の動向が決まれば、25年シーズンのラインナップがほぼ決まりますね」 スタイリング/渡邊奈央(Creative GUILD) 衣装協力/AKM ヘア&メイク/大平真輝) 構成/川原田 剛 撮影/樋口 涼(対談) 写真/桜井淳雄