【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】次のスペインGPはシーズンの行方を占う重要な一戦になる!
■今もっとも安定感のあるマクラーレン 超スローペースでバトルがほとんどなく退屈だったモナコGPとは対照的に、カナダGPの決勝は雨が降ったり止んだりする難しいコンディションとなり、クラッシュやコースアウトが続出。セーフティカー(SC)が2度も出動するという、目まぐるしいレース展開となりました。 そんな中でレッドブルのフェルスタッペン選手が今季6勝目を飾りますが、昨年までのようにライバルを寄せつけずに圧勝する、というレース内容ではありませんでした。レッドブルのマシンはサスペンションが固く、モナコと同様に低速コーナーや縁石に乗ると飛び跳ねてしまい、コントロールが非常に難しくなっているようです。それでも勝利をつかみ取ってしまうフェルスタッペン選手はさすがですが、今年のマシンは神経質な挙動をするため、どこでも速いというわけではなくなっています。 今、どんなタイプのサーキットでも速い"オールラウンダー"のマシンに仕上がっているのはマクラーレンでしょう。モナコとカナダでも安定した速さを披露し、ノリス選手は2位表彰台を獲得。オスカー・ピアストリ選手もレース終盤まで表彰台争いに加わっていました。 予選で散々な結果に終わったフェラーリですが、悪い流れを変えることができませんでした。決勝でルクレール選手はパワーユニットにトラブルが発生してリタイア。サインツ選手もクラッシュを喫し、カナダでは2台そろってリタイアに終わります。 今回のノーポイントはフェラーリにとって大きな痛手です。モナコでダブル表彰台を決めて、せっかくコンストラクターズ選手権をリードするレッドブルに24点差まで迫ったのですが、49点差まで引き離されてしまいました。 不調のフェラーリに代わってモントリオールで躍進したのはメルセデスです。ジル・ビルヌーブの特殊なコースとマシンの特性が合っていたのか、カナダGPの週末を通して安定した速さを発揮していました。ラッセル選手は3位表彰台を獲得しましたが、レース終盤のドライブミスがなければ優勝のチャンスもあったと思います。