亡くなった親に「生前にやっておいて欲しかった」と感じること4つ。相続、家の整理…何が特に大変だった?
【2:お葬式に関する意向を聞きたかった】誰を呼ぶ?どんな葬儀にする?
親が亡くなるとまずやらなくてはいけないのは、葬儀の手配。コロナ禍をきっかけに葬儀の簡略化や小規模化が進んでいるようですが、それでも会場の手配や親戚等へのお知らせなど、やらなくてはいけないことはたくさんあります。亡くなってから葬儀まではそれほど日数がないため、あとになって「あれをやっておけばよかった」と後悔するケースも少なくないようです。 「お葬式に呼ぶ人のリストを作っておいてほしかった。小学校から仲が良かった友人を呼び忘れてしまったから」(41歳女性/学生・フリーター) 「お葬式の時に、普段から親交のある人とない人を分けたリストを残しておいてほしかった。誰から先に連絡していいか分からず困った」(41歳男性/その他) 「父親が自分の兄弟たちとうまくいっていなかったため、葬儀の際になかなか意思疎通ができなかったし、私自身も遠慮してしまって物事を頼むことができなかった。生きてるうちに兄弟たちともっと話をして、わだかまりを解いておいて欲しかったと思いました」(64歳女性/その他) 「どんなお葬式をしてほしかったのかを伝えておいてほしかった。人生最後の時なので、本当に自分が望んでいるお別れの仕方で送ってあげたかったから」(54歳女性/主婦) とはいえ、たとえ余命宣告があったとしても、子どもは親に「どんな葬式がしたい?」とはなかなか切り出せないものです。逆に、親のほうから話題を振られても、「縁起でもないこと言わないで」と遮ってしまうこともありそう。故人の意思を尊重したお葬式をするためには、そんなハードルを乗り越えて、生前から話をしておく必要があるといえそうです。
【3:相続財産の整理】少ない遺産でも争いは起こる!?
親が亡くなると兄弟や親戚間での遺産相続などが発生します。しかし生前に相続についての取り決めや遺言などがないと、親族間での食い違いが発生することも珍しくなく、きれいごとでは済まないことも。センシティブな問題ですが、何かしらの対策は必要です。 「父が亡くなった際、相続は全て母にと言われていたので、楽と言えば楽だったが、相続後、今度は母が母自身の死後に財産をどうしていくかで悩んでいる。それならばもっと前から、生前の父に意思を聞いておいても良かったと思う」(58歳男性/金融関係) 「相続税対策をもっと具体的にしておいてほしかったです」(64歳女性/主婦) 「遺産をどうするのか、決めておいてほしかった。兄弟でとてももめてしまった」(61歳女性/デザイン関係) 「遺産相続についてもっとちゃんとしていて欲しかった。母親はよく分かっていないし、兄に好きなようにされてしまった」(54歳女性/主婦) 巷でよく耳にする「遺産相続に関するトラブル」について「うちは争うほどの遺産はないから関係ない」と考えている人は多いと思います。しかし家庭裁判所で取り扱われた遺産分割のうち、遺産総額が1,000万円以下のケースが約35%、5,000万円以下のケースを含めると80%近くを占めるそう(「司法統計年報」令和5年度版より)。遺産が多くないからといって、決して他人事ではないのです。