「考える手順」を変えるだけ。誰でも論理的思考を高められる習慣
実際の応用例:残業問題を解決するには?
このGROWモデルを活用した実践的な例として、残業問題の解決方法を考えてみましょう。 Goal(目標) 目標は、残業時間を削減し、より効率的な働き方を実現すること。具体的には、月々の残業時間を10時間以内に抑えることが目標だとしましょう。 Reality(事実) 次に、現状を把握します。現在、従業員の平均残業時間が20時間に達しており、主な原因はタスクの割り振りがうまくいっていないことや、無駄な会議が多いことだとします。 Resource(資源) 業務の優先順位をつけ、減らせるものを減らすこと、とします。 Options(選択肢) 残業時間削減のために、いくつかの選択肢を考えます。たとえば、メールやレポートの入力作業を自働化させる、会議の頻度や時間を減らす、業務の効率化を図るためにツールを導入するなどが考えられます。 Will(意思・行動) 最終的に、これらの選択肢の中から最も効果的なものを選び、実行に移します。 たとえば、業務プロセスの見直しと会議の効率化を図ることで、短期的に残業時間を削減し、長期的には効率的な働き方を定着させる方針を選択します。
論理的思考を高めるには「GROWモデル」が効く
論理的な思考力を日常的に高めるためには、このGROWモデルのステップを日々の問題解決や業務遂行に取り入れることが効果的です。特にビジネスの場面では、問題解決や意思決定が求められる場面が多いため、自然と論理的な思考力が鍛えられていきます。 最後に、論理的な思考力は単なる頭の良さではなく、手順や習慣の積み重ねで身につくスキルであることを改めて強調したいと思います。日常的な問題解決にGROWモデルを活用し、論理的な思考を実践していくことで、よりよい意思決定ができるようになるでしょう。 伊庭 正康 株式会社らしさラボ 代表取締役 リクルートグループ入社。残業レスで営業とマネジャーの両部門で累計40回以上の表彰を受賞。その後、部長、社内ベンチャーの代表を歴任。2011年、株式会社らしさラボ設立。リーダー、営業力、時間管理等、年間200回以上の研修に登壇。リピート率は9割以上。現在は、オンラインを活用した研修も好評。近著に16万部を超える『できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ(PHP研究所)』『できる営業は、「これ」しかやらない(PHP研究所)』『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる(アスコム)』など、他多数の書籍がある。 ※無料メーリングニュース(全8回) ※YouTube「研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル」、音声メディアVoicy「1日5分 スキルアップラジオ」もスタート。 ※伊庭の研修をオンラインで学べるUdemyの講座も好評(Udemyベストセラー入り!) 「最高効率ワークハック術」をもっと読む>>
伊庭正康