目指せ「マッチョ藤波」 五輪女王、本格復帰へ着々―レスリング
今夏のパリ五輪レスリング女子53キロ級金メダリストで、公式戦139連勝中の藤波朱理(日体大)が、肉体改造に取り組んでいる。 【選手プロフィール】藤波朱理(ふじなみ あかり) レスリング 4年後のロサンゼルス五輪に向け、57キロ級へ転向。来年6月に予定される明治杯全日本選抜選手権での再出発へ、競技人生で初めてウエートトレーニングを取り入れたことを明かし、「マッチョな藤波朱理で、強い姿を見せたい」と意気込む。 藤波は22日まで開催された全日本選手権に、チームメートのサポートやセレモニー出席のため来場。ライバルたちの戦いを目の当たりにし、「新しい戦いが始まっているなと感じた」と、モチベーションを高めた様子だった。 本格復帰に向け、これまでは普段の体重から約8キロ落としていた減量も半分ほどに。心身共に負担が軽減され、充実したトレーニングができているという。「筋肥大系のトレーニングを取り入れた。レスリング自体は大きく変えないが、やっぱり違うなという感じ」。持ち前のスピードに加え、寝技で相手をコントロールするパワーも強化。「グラウンド(寝技)の幅があると、レスリングの幅も広がる。安定感も増すと思うので、課題として頑張りたい」。隙のない戦いに、さらに磨きを掛けている。 日本勢の五輪連覇は過去4人。男子の上武洋次郎、女子は3連覇の吉田沙保里、4連覇の伊調馨、金城(旧姓川井)梨紗子が達成しているが、階級を上げての連覇は例がなく、男女通じて初の快挙への挑戦に注目が集まる。 名実共にレスリング界の顔となった2024年を振り返る漢字を問われ「夢」と答えた藤波。「夢をかなえられた一年。自分にとって夢に向かって頑張れる日々というものが、一番の幸せだと感じられた」。新たな目標に向かい、来年も連勝街道を突き進む。