Xの価値はマスクによる買収当時の「5分の1強」に減少、フィデリティが試算
イーロン・マスクが率いるX(旧ツイッター)の価値は、マスクがこのプラットフォームを買収するために支払った440億ドル(約6兆3000億円)のわずか5分の1強にまで下がったことが資産運用大手フィデリティによる最新の試算で明らかになった。 フィデリティは現在のXの企業価値を94億ドル(約1兆3529億円)と見積もっており、同社が保有するXの持ち分の価値を約419万ドル(約6億円)と試算している。同社が保有するX株の価値は、マスクが2022年10月にXを買収する以前は1960万ドル(約28億円)だったが、今年8月末の時点でそこから約79%の価値が失われたとフィデリティは試算している。 同社は、今年に入り複数回にわたりXの持ち分の評価を引き下げており、1月と2月にそれぞれ10.2%と5.7%の引き下げを行った。ただし、昨年12月には11%の引き上げを行っていた。 Xは、フォーブスからのコメント要請にただちに応じなかった。世界で最も裕福な人物であるマスクの保有資産は、2698億ドル(約38兆7000億円)と試算されている。 ワシントン・ポスト紙は9月1日の記事で、8つのXの主要な投資家が合計240億ドル(約3兆4500億円)をマスクによるXの買収以降に失ったと報じた。 マスクは、2022年10月に長期にわたる取引プロセスの後に当時のツイッターを買収した。彼によると、買収後の「大幅な広告の減少」により、同社の収益は50%減少した。 マスクは、ツイッターをXとしてリブランドするにあたって、ユーザーに認証バッジを付与するプレミアムサブスクリプションサービスや、投稿の編集機能などを追加した。これらの変更は、多くのユーザーからの反発を招いた。 マスクは、ストックオプションの付与を求めるXの従業員に対し、会社への貢献を詳細に記した1ページの報告書の提出を求めていると報じられた。ニュースサイトのThe Vergeによれば、マスクはXの従業員に対して、宇宙開発企業のスペースXの社員と同様に、彼らが株式を定期的に現金化できようになると以前に伝えていたという。
Ty Roush